2011年1月11日火曜日

1月11日 700 FLIGHT

昨夜からの夜勤はくも膜下出血2件の術前,術後管理,緊急入院対応などで結局あまり寝られませんでした.

本日の初療は偶発性低体温症,多臓器不全,急性腹症などなど相変わらずの1日でした.

ICUではCHDF,人工呼吸管理(NPPV含む),脳圧管理など得意のモニタリングシステムを駆使し集中治療管理を行っております.今宵のICU担当は三浦先生.少々,大変なICUですががんばって皆さんを良くしてください.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,番匠谷先生,濱看護師.報告する4フライトで年度合計が700フライトになりました.有効にドクターヘリを活用してくださる消防の皆様,各医療機関の先生方,安全な飛行を支えてくださる多くの関係者の皆様へ感謝申し上げます.また,遠慮無くもっともっとドクターヘリをご活用ください.フライトチーム一丸となって邁進して参ります!


昨日の夜降り積もった新雪がヘリポートを覆っています.そこへJA822Hドクターヘリは朝日を背に舞い降りてきます.


着陸後のヘリポートにて.


☆ドクターヘリ1件目 離陸後キャンセル(交通外傷)

朝のカンファレンスが始まった直後に一斉PHSが鳴ります.「通学途中の中学生.自転車で転倒し意識なし.」との情報で,覚知同時要請です.しばらくのフライト途中に「意識清明.救急隊にて対応可能にてキャンセル.」との連絡.大事に至らず良かったです.

重症外傷が疑われる場合,このようなキーワードでの覚知同時要請,早期医療介入が患者さんの予後を改善いたします.今後もキャンセルを厭わず,遠慮無く同時要請してください.

☆ドクターヘリ2件目 施設間搬送(大動脈解離疑い)

1件目から帰投した直後に要請です.スタッフはそのまま再離陸.「大動脈解離疑いにての施設間搬送.」との情報です.初療対応医の幸部先生には連絡済み.陸路では40分以上かかりますが,ヘリだと5分少々.重症度・緊急度が高いと疑われる事案には,ヘリによる搬送時間の短縮が有効です.

ランデブーポイント上空に到着.積雪のグラウンドに着陸です.


無事着陸.


消防の方と一緒に,ストレッチャーの搬入のため皆で雪かきです.施設間搬送なので,先方のドクターがランデブーポイントまで救急車同乗で来られます.


雪かき完了と同時に救急車到着.車内で状態の安定化を確認.先方のドクターから申し送りを受け,患者さんを皆でヘリのストレッチャーへ乗せかえ,TECCMCへ搬送です.

診察の結果,幸い緊急性を要する疾患ではありませんでした.

☆ドクターヘリ3件目 偶発性低体温症

2件目の搬送途中に要請です.ならば患者さんをヘリポートで引き継ぎ,連続出動とします.ヘリポートへ着陸,エンジンカットせず安全な場所で患者さんを院内スタッフへ引き継ぎます.そして,我々は再び空へ.

「意識無い,体が冷たい.」との情報です.途中,消防本部からの追加情報,「意識レベルIII桁.徐脈,低体温,頸動脈でかろうじて脈の触知可.」 低体温症です.確かに昨夜から朝にかけては非常に寒かった・・・

ヘリは積雪30cm〜40cm程度のランデブーポイントへ着陸.ここでも救急車到着までストレッチャー搬入経路の雪かきです.


程なく救急車到着.車内で初期診療を開始.低体温,徐脈,ショックです!末梢ルートを確保しようにも血管は攣縮してありません.ならばBIGで骨髄輸液路確保.これで加温輸液の投与が可能になります.何はともあれ体温を上げなければどうしようもありません.初期治療を速やかに行い,ヘリへ搬入.TECCMCヘ数分で搬送です.

積雪時のランデブーポイントでは,消防の皆様に今まで以上にお世話になっております.ありがとうございます.引き続き,今後ともどうかよろしくお願い申し上げます.

☆ドクターヘリ4件目 離陸後キャンセル

覚知同時要請です.「温泉内で心肺停止疑い.」との情報です.ヘリは10分弱で除雪されたランデブーポイントへ着陸.すると,「意識レベル清明.救急隊にて対応可能・ヘリキャンセル.」との無線連絡です.本事案も大事に至らず良かったです.


同じ但馬でも,地域によってこれだけの積雪量に違いがあります.安堵感に包まれながらヘリは病院ヘリポートへ帰投します.

本日も雪の中,大変お疲れ様でした.



おまけ画像.運航管理棟・救命救急センター医局棟の前に「雪だるま」がやってきました.ちゃんと顔もあります (^_^).