2011年1月14日金曜日

1月14日 講演

今日も不安定な空模様です.

本日,小林は倉吉市にある鳥取県立厚生病院の救急集中治療セミナー講師に呼んでいただきました.豊岡から倉吉まで2時間30分のドライブ.院長はじめ外科の先生方は医局の同門,他の科の先生方も同窓生です.ドクターヘリや集中治療におけるモニタリングの話をさせていただきました.

本日のドクターヘリ・カーの担当は岡先生,山邊先生,米田看護師です.

☆ドクターヘリ1件目 転落外傷

晴れ間が見え,ヘリを病院へリポートへ持ってきた直後の要請です.この時,他に2事案要請が重複していました・・・「雪下ろし中に屋根から転落.」との情報です.

ヘリは雪雲をさけながらランデブーポイントを目指します.しかし,厚い雪雲が行く手を阻みます.「指定のランデブーポイントまで行けません.ヘリは引き返します.」と無線連絡.消防からの情報では骨盤骨折が強く疑われるとのこと.であればTECCMCへの搬送が最善.現場から陸送であれば1時間以上はかかります.ならばヘリで行けるところまで行って,救急車と途中ドッキングにミッションを切り替えます.

消防とランデブーポイントを調整,ヘリは海岸線のランデブーポイントで救急車到着を待ちます.しかし,雪雲の移動が思ったより早く,このままでは飛行不能になることが懸念されます.山邊先生,米田看護師をランデブーポイントへ残し,ヘリは離陸,岡先生と共にTECCMCへ帰投.岡先生は別事案へのドクターヘリあるいはカー対応に備えます.

ランデブーポイントではそのころ救急車が到着.外傷初期診療が開始されます.呼吸,循環は崩れていません.やはり骨盤骨折,大腿骨骨折が疑われます.救急車に山邊先生,米田看護師は同乗し,TECCMCを目指します.搬送時間の短縮は出来ませんでしたが,早期医療介入は達成することが出来ました.

センター搬入後,予想通りの診断結果.幸部先生,番匠谷先生でTAEが行われ,安定した状態でICUへ入床されました.



いつもこんな感じでヘリまでダッシュです.




☆ドクターカー1件目 キャンセル

1件目からの帰投直後,ヘリは天候不良のため但馬空港へ.現在,その補完としてドクターカーが運行しています.そんな中,意識障害,脳血管障害疑いにてドクターカーが出動します.

しばらく走ると,「直近かかりつけの病院へ搬送.ドクターカーキャンセル.」との連絡.同時要請ならでわのことです.



本日も適切なタイミングと内容判断でヘリ,カー要請が行われました.ありがとうございました.