2011年4月4日月曜日

4月4日 多発外傷

本日も快晴.ドクターヘリの運航に支障はありません.

本日のドクターヘリは小林,幸部先生,森田看護師.

☆ドクターヘリ1件目 多発外傷

覚知同時要請です.ヘリでも20分近くかかる場所ですが,「軽トラックとタンクローリーの衝突事故.閉じ込め1名,救助事案.」であれば現場あるいはランデブーポイントでのドッキングでも十分に有用性が発揮されます.

飛行中の機内で加圧バッグ付きの輸液,気道確保の準備を行いつつランデブーポイントへ向かいます.

20分弱で現場上空へ.ランデブーポイントの着陸準備が整っているとのことでヘリは少し離れたランデブーポイントへ着陸します.直後,救急車がランデブーポイントへ向かっているとの情報.であればこの場で待ちましょう.



数分後,救急車到着.医療スタッフは救急車内へ飛び乗り外傷初期診療開始です.幸部先生は頭もと,小林は体幹部,森田看護師は2人をサポート出来るように間に立ちます.2人の救急医で一気に外傷初期診療を行います.Primary survey・・・顔面外傷に伴い気道は血液で閉塞,呼吸は右胸郭動揺著明,酸素飽和度低下,幸い循環は保たれており,FASTもnegative.意識レベルはE1V1M4.明らかに「やばい!」状況です.

幸部先生は吸引と下顎挙上を行い気道確保に努め,その間に森田看護師は気管挿管の準備と薬剤準備をテキパキと行います.小林は末梢に14G針を留置し輸液開始(その後FAST).輸液路の固定を行い,RSIのため薬剤を投与します.救命士さんに尾側から頸椎保護をしてもらい気管挿管.呼吸,循環評価のためマシモ社の「Radical-7」を装着し,SpO2, PVI, Hbなどをモニタリングします.これで呼吸,循環は安定化しました.

これ以上ここで出来ること,するべきことはありません.速やかに機内へ収容,多発外傷はTECCMCへ.離陸まで10分少々.機内ではオキシログ3000で呼吸管理.右胸部外傷に伴う皮下気種の増大,酸素飽和度の低下はみられません.しかし,Hb値がじわじわと低下.PVIは問題ありません.「頭部からの出血,顔面骨骨折と多発肋骨骨折からの出血が考えられますね.輸液速度はこのままで.」 飛行中もしっかりとしたモニタリングで治療方針の修正を行います.

TECCMC初療へ.待ち構えていた松井先生,new faceの長嶺先生へ治療を引き継ぎます.現場と機内でprimary surveyは終わっています.であればヘリポートからdirect trauma CTへ!

頭部外傷,顔面骨骨折,多発肋骨骨折,肺挫傷,血気胸.救命救急センター,救急医でなければ予測生存率に対する実生存率を上げられない重症外傷です.

消防の適切なヘリ要請が1人の命はすくい上げました!