2011年3月31日木曜日

3月31日 年度末,そして運航実績

2010年4月17日〜2011年3月31日の運航実績をアップします.年度末の締めです.


要請件数1118件,出動847件(現場748件,施設間搬送99件)でした.月別の詳細なグラフは下記です.御参照ください.



運航管理室のホワイトボードはこんな感じ.


月別では,今月の要請件数105件,出動74件(現場70件,施設間搬送4件)となっております.尚,本統計に災害派遣事案は含まれておりません.


今月は上旬の天候不良,中旬の災害派遣などあり,不応需件数を含めた出動前キャンセル件数が増えています.対応出来なかった事案については申し訳ありません.

ドクターカーの出動は19件となっています.



さて,本日は年度末.TECCMCが稼動し始めて1年が経った日です.あっっっっっっという間の1年でした.ひたすらに皆で突っ走った感じです.この1年に感謝をしつつ,スタッフ全員の労をねぎらって,ささやかながら「お疲れ様会」を開催しました.

山邊先生差し入れのゴールドシャンパンをヘリポートに置いて,ぱちっ.


これまた山邊先生差し入れのケーキを囲んで,ぱちっ.


来年度は医局の先生達も増えます.スタッフ一同,さらなる飛躍を目指し救命救急医療に邁進したいと思います.今後ともよろしくお願い申し上げます.



さて,本日のドクターヘリ担当は小林,岡本先生,清水看護師でした.

☆ドクターヘリ1件目 意識障害+頸椎骨折!?

救急隊現着後の要請です.「脳血管障害を強く疑います.」との情報です.ヘリは数分でランデブーポイントに着陸,救急車もタイミング良く滑り込んできます.

車内に乗り込み診察開始.「頭が痛くなり倒れたようです.右に不全麻痺があります.転倒されているので,ネックカラーを装着しています.」と救急隊からの申し送り.内因性疾患だけでなく,それに付随した外因性のものにもきちんと対応していることにあらためて感心(これが後ほど,さらに我々を感心させることになるのですが).

確かに脳血管障害が疑われ,脳梗塞なら血栓溶解療法の適応になりそうです.であれば急いでTECCMCへ搬送です.頭部保持,頸椎保護に心掛けながらヘリへ搬入.そして,ヘリポートからはdirect CT.

やはり脳梗塞!転倒されているので頸椎もCTで評価(いつものプロトコール).さて,あらためて初療で神経学的な評価をします.その間に頸椎のCTをチェック,チェック・・・「あらっ,C2折れてる!」 転倒時に頸椎骨折をされていたようです.

病院前の対応が不適切であれば頸髄損傷を引き起こしているところです.ヘリ要請だけではなく,きちんとした傷病者対応が出来ている救急隊,まさに推奨活動です.

☆ドクターヘリ2件目 意識障害(今年度の最終事案)

覚知同時要請です.「意識無し,呼吸有り.」 現場は119番通報から救急隊現着まで15分近くかかる山間の町.ランデブーポイントから支援車で移動しても時間がかかりそうです.無線で現場の場所を確認,現場直近への着陸可能地点を探すことにします.

現場上空.救急車を発見!あそこが現場のようです.直近に着陸可能なところは・・・ありました!患者さん宅の隣に空き地が!!上空から安全を確認し,消防無線でコンタクトをとりながらゆっくり,安全に着陸します.



そして,そこからはいつものように資機材を担いで現場までダッシュ.患者さんのお宅にお邪魔して診療開始です.まさに究極の往診,早期医療介入.

意識レベルIII桁,低血糖なし.幸いにも気道,呼吸は安定しています.家内から速やかに搬出し,ストレッチャーでヘリ着陸地点まで移動.そして,搬送時間が一番短い直近の拠点病院へヘリ搬送です.



さて,今年度最終日は24時間勤務です.平和な夜になるでしょうか?・・・そしてその後,巨大胃潰瘍からの出血,出血性ショックで夜勤が始まりました・・・




2011年3月30日水曜日

3月30日 朝から

本日のヘリ番は小林,三浦先生,濱看護師です.機体の整備が完了し,8時に機体は格納庫から出てきます.資機材は機内に積んでおけるので,充電が必要な機材の積み込みと毎日の機内整備.そして8時15分から朝礼.これがヘリクルーの日課です.いってみれば8時前には概ねスタンバイ完了な状態となっています.

☆ドクターヘリ1件目と2件目 離陸後キャンセル

朝礼終了と同時に本日1件目の要請です.覚知同時要請.晴天の空へヘリは離陸します.5分後,「硬直あり.キャンセル.」 

1件目から帰投し,朝のカンファレンスが始まった直後に2件目の要請です.もちろん覚知同時要請.「川に転落.」との情報です.ドクターヘリは現場直近に着陸,医療スタッフは現場まで徒歩で向かいます.「蘇生適応なし.キャンセル.」 どうやら昨晩から行方不明だったようです.

2事案ともに残念な結果ではありますが,わずかな可能を期待してこのような要請が最善であると考えます.キャンセルはいつでも出来ます.救急隊現着後要請で,失った時間と後悔は取り戻せません.それをしっかりと認識し,医師の現場派遣を最速で要請している,それがこの地域の消防本部です.

☆ドクターヘリ3件目 小児転落外傷

午前中3件目の要請です.覚知同時要請.「小児,屋根からの墜落.」といった情報です.年齢などから機内で必要物品を用意します.

10分後,ランデブーポイントへ着陸.そこからは支援車に乗って山間の道を現場に向かいます.


数分後,現場到着.ちょど患者さんは車内に収容されたところです.外傷初期診療開始.幸い,ABCDと問題なさそうですが,腹部に圧痛があります.救急車はすでにランデブーポイントに向け出発済み.高エネルギー外傷,腹部外傷を疑い,TECCMCへヘリ搬送です.

救急車での陸送であれば,現場からTECCMCまで40〜50分かかるでしょう.そう考えれば医療介入までの短縮時間は40〜50分.ドクターヘリの効果ははかりしれません.

☆ドクターヘリ4件目 頭部外傷

午前中4件目の要請です.救急隊現着後の要請です.119番通報時にはキーワードに引っかかるような内容もなく,重症外傷を疑う内容でもなかったようです.ところが,救急隊現着し初期評価,全身観察を行うと・・・呂律が回らない,よだれを垂らしているなどの異常所見があるではないですか!救急隊現着後要請基準に合致,現場の救急隊は重症頭部外傷を念頭にヘリ要請を行います.

ドクターヘリは10分少々でランデブーポイント上空に到着,救急車もタイミング良くランデブーポイントへ滑り込んできます.

車内で外傷初期診療開始.意識は清明ですが,確かに呂律が回らず,おかしな印象があります.麻痺を含め他の異常所見なし.やはり頭蓋内に何かあるのでしょうか?外傷事案でもあり,迷わずTECCMCへヘリ搬送です.

☆ドクターヘリ5件目 重症頭部外傷(施設間搬送)

この北近畿エリアで24時間,脳外科対応可能な施設はTECCMCのみ.TECCMCには外傷のみならず,脳外科関係の症例も集まってきます.だから頭部外傷対応はTECCMCの得意分野でもあります.

そんなことを話していると,他院から重症頭部外傷の転医依頼です.日勤責任者の松井先生は状況を聞き,ドクターヘリでのお迎えが適切と判断します.数分後,転医依頼元病院を管轄する消防本部からのヘリ要請がかかります.

ドクターヘリは10分もかからず指定のランデブーポイントへ.陸送であれば1時間以上かかる地域です.救急車もちょうど到着します.

三浦先生は救急車内で外傷初期診療を始め,小林は紹介元の先生から画像を含め申し送りを受けます.急性硬膜下血腫,midline shiftあり,瞳孔不同あり・・・非常に切迫した状況で,減圧開頭まで急を要します.1分1秒が惜しい.「ヘリに速やかに搬入,機内で麻酔をして気管挿管を行うよ!」

ランデブーポイント滞在時間は5分弱.エンジンスタートと同時に機内では治療が開始されます.バイタルチェックしつつ鎮静,鎮痛薬,筋弛緩薬の投与.その間に小林,三浦先生は気管挿管の準備.飛行中はシートベルト着用が原則のため,喉頭鏡を用いた通常の喉頭展開は非常に困難です.また2次性脳損傷を防ぐため,一発で気管挿管を決める必要があります.このような場合,我々の選択は・・・Airwayscope.病院前救急診療におけるこのデバイスの有用性は千里救命時代から報告してきました.三浦先生は飛行中にもかかわらず,15秒程度で挿管を完了させます.


挿管の確認は聴診で・・・しかし飛行中は騒音のため聴診は不可能です.Airwayscopeは直視下に気管チューブの声門通過を確認出来るので,聴診無くとも安心出来ます.しかし,ちゃんとした確認をするに越したことはありません.そこで,機内での確認は,カプノグラフ.呼気中の二酸化炭素をモニタするため,チューブが気管内になければきちんとした波形が出ません.モニタすると・・・


問題のない波形を確認します.これで2次性脳損傷を防ぎつつ,いつでも手術対応可能な状況になりました.

TECCMC到着,direct CTにて病変の状況を確認,搬入30分後には手術室へと搬入されました.

救急車内で安定化してヘリ搬入することがドクターヘリの原則.しかし,搬送時間を最短にする必要がある場合,機内で出来ることを熟知しているチームだからこそ行える治療方法もあります.経験を積むこと,数をこなすこと,それが「質」の維持と向上をもたらします.



今日は,病院前救急診療における我々の取り組みの一部を紹介させていただきました.


2011年3月29日火曜日

3月29日 本格稼働!

初療もICUもドクターヘリもそれなりに忙しくしております.ん〜,なんだか休憩出来ませんね・・・

今朝,ドクターヘリが格納庫から「初出勤!」.準備もしやすく,空港までの移動などミッション以外のことを考えなくても良いのは非常に楽です.格納庫,給油施設が整い,いよいよ豊岡ドクターヘリが何の足かせもなく本格稼働開始です!!

本日のドクターヘリは小林,松井先生,米田看護師.松井先生は1日8件出動のタイトルフォルダー.平和な運航になるはずもなく・・・

☆ドクターヘリ1件目 突然の意識消失

覚知同時要請です.「トイレ内で突然の意識消失.」 お昼前にドクターヘリは出動です.ドクターヘリは10分もかからずランデブーポイントに到着.数分後に救急車がやってきます.

「救急隊現着時,脈拍30〜40,ショック状態でした.今は意識も戻って,循環安定しています!」 救命士さんからの的確な申し送りを受けながら診療開始です.ABCD OK.心エコー問題なし.胃切除の既往あり.心大血管系の疾患は考えにくい状況です.排便時の意識消失,徐脈.迷走神経反射などを考え,松井先生が救急車同乗で直近の2次病院へ搬送です.

小林,米田看護師,運航スタッフはランデブーポイントで他事案要請に備えて待機.要請があれば松井先生は置き去りになっちゃいますが・・・


☆ドクターヘリ2件目 交通外傷(傷病者2名)

1件目から帰投し束の間,2件目の要請です.「複数の車が絡む事故.」 複数傷病者の可能性があります.機内ではトリアージタッグの準備.5分で現場上空に到着です.

指定されたランデブーポイントから事故現場まで支援車で10分はかかります.上空から救助事案であると判断出来ます.1分1秒も惜しい.上空から現場直近の着陸可能地点を検索・・・あります,安全に着陸可能な場所が!地上の救助隊に無線連絡,地上からも安全を確認してもらい現場直近の土手に着陸です.


「ヘルメット装着し,現場までダッシュ!」 着陸地点から現場までは約100m.資機材を担いで現着.救急覚知から20分以内に外傷初期診療の開始です.


傷病者は2名.1名はすでに救急車内に収容済み.1名はちょうど車外救出されたところです.松井先生が救急車内の患者さんを,小林は救助された患者さんを診察します.幸い,救急車内の患者さんは大きな外傷もなさそうです.直近の病院へ救急車で搬送とします.閉じ込められていた患者さんは胸部外傷が疑われます.であればヘリでTECCMCへ搬送.

現場から直近に着陸したヘリ機内へ速やかに搬入,TECCMCへ!

複数傷病者に2 flight doctor制は非常に有効に機能します.また,安全に現場直近に着陸させていただいた消防本部に感謝です.最短の外傷初期診療開始と搬送時間の短縮が実現しました.

☆ドクターヘリ3件目 窒息

2件目の患者さんを初療へ搬入,申し送りの最中に要請です.「食事中の意識消失.」 ヘリは10分でランデブーポイントに到着です.

救急隊からの情報では食事中の窒息,CPA.口腔内吸引,特定行為の気管挿管後に心拍再開,とのこと.窒息,低酸素からのCPAのようです.心停止時間23分.脳蘇生の可能性は?自発呼吸は再開しています.しかし,意識レベルはE1VTM1.TECCMCへ搬送して精査です.

救急車内から10分以内にヘリへ乗せ換え離陸,初療へ搬入します.

痙攣出現,NH3 40,INVOS R/L 81/82.脳蘇生は出来るでしょうか・・・

☆ドクターヘリ4件目 胸痛

3件目の患者さんを初療に搬入,またまた申し送りの最中に要請が入ります.「1時間続く,胸痛.」 もし心筋梗塞なら診断,治療開始までの時間が勝負です.だから覚知同時要請.

ヘリは数分で消防分署前のランデブーポイントに着陸です.支援隊の到着も分署前なので最速,散水も終了しています.


待つ事数分,救急車がランデブーポイントへ滑り込んできます.患者さんの胸痛は楽になっているようですが,速やかに心エコー,心電図の検査を行います.急性心筋梗塞が否定出来ません.であれば,一番近いTECCMCへ搬入して精査です.

☆ドクターヘリ5件目 アナフィラキシーショック

4件事案出動中に重複要請です.覚知同時要請であるため,患者さんを待たせる時間は最短になるはずです.こんな瞬間にもキーワード方式・覚知同時要請の効果が発揮されます.

4件目の患者さんをホットローディングのままヘリポートで日勤責任者の幸部先生へ引き継ぎ,フライトスタッフは再び機内へ.そして指定されたランデブーポイントへ向け離陸です.

飛行中にいつものように情報が無線で入ります.「食事後,全身の発赤,かゆみ,全身倦怠感.」 アナフィラキシー!?これこそ早期医療介入が救命を左右することがあります.

10分でランデブーポイント着陸.待っていた救急車内で診療開始.救急隊現着時,ショック症状があったようです.全身の発赤,粘膜の浮腫も若干みられます.幸い,今は呼吸,循環も安定しつつあります.やはりアナフィラキシー.エピネフリンまでは必要なさそうですが,ステロイド,H1&H2 blockerを投与,初期治療を開始します.

状態が安定しており,直近の拠点病院へヘリ搬送です.いつもお世話になり,ありがとうございます.

☆ドクターヘリ6件目 脳卒中(疑い)(離陸後キャンセル)

5件目から帰投し,初療でたまったカルテを記載しようとフライトスタッフ3名が座ったところ・・・要請の一斉PHSが鳴ります.

覚知同時要請.運航範囲全体にキーワード方式同時要請が徹底されていることを実感します.情報からは脳梗塞が疑われます.離陸後約5分,「キャンセル.」との無線連絡が運航管理室から入ります.どうやら様々な状況からヘリ適応にならなかったようです.

救急隊現着後にヘリ適応でないと判断されたキャンセルは大歓迎です.とにかく覚知同時要請で医療スタッフを早期に患者さんのもとへ出動させる事の方がもっともっと大切なことなのです.



本日は6件要請,6件出動.全ての事案がほぼ連続出動の状態でした.適切にヘリ要請をかけていただきありがとうございます.重複要請でキャンセル事案が出ず,本当に良かったです.引き続きよろしくお願い申し上げます.



気がつけば3月ももう終わるのですねえ.春はすぐそこまで来ています.



2011年3月28日月曜日

3月28日 晴天,そして運用開始!

本日は朝から晴天.16時に東日本大震災に派遣していた救護班の陸送班が帰院しました.お疲れ様でした.未曾有の大災害,1日も早い復興をお祈り致します.

本日のドクターヘリは幸部先生,山邊先生,安積看護師です.

☆ドクターヘリ1件目 頭部外傷

「意識無し,呼吸あり.」にて覚知同時要請です.覚知から3分後にはドクターヘリ要請.指令課の意識の高さがわかります.

現場は救急車でTECCMCまで50分近くかかるところ.ヘリは10分少々でランデブーポイントへ着陸します.程なく救急車も到着,覚知から25分,救急隊現着から15分で医療介入開始です.

患者さんは転倒による頭部外傷が考えられる状況,不穏です.外傷初期診療を速やかに行い,鎮静.ランデブーポイント滞在時間10分以内にTECCMCへ向け離陸します.

初療では岡先生,番匠谷先生が待ち構えています.やはり・・・頭部外傷.早期医療介入と搬送時間の短縮が2次性脳損傷を軽減します.

☆ドクターヘリ2件目 院外CPA

「意識無し.」にて覚知同時要請です.ミッションとしては問題なく,オートパルス装着し救急車同乗で近隣の病院へ搬送となっています.

☆ドクターヘリ3・4件目 交通外傷

2名の傷病者.2件目の事案で帰投中に要請・出動です.閉じ込めあり!しかし,機長が安全と判断し現場直近に着陸,医療スタッフはダッシュで現場へ.



スタッフ現着時,車外救出中.この段階で外傷初期診療が開始されるのがドクターヘリの強みであり,有用性です.

傷病者は2名.1名はショック状態.現場には2名の救急医がいます.各々の傷病者に1名づつの救急医がとりつき,救急隊と共に診療を行います.「1名,赤.1名,黄色.赤をドクターヘリ搬送,黄色は医師同乗でTECCMCへ救急車搬送,途中でヘリによるピストン搬送も考えます.」 現場の山邊先生,幸部先生はミッション方法を消防と統一します.

山邊先生が赤タッグの患者さんを担当し,急速輸液を行いつつヘリ搬送です.幸部先生が黄色タッグの患者さんを担当し,救急車で出来るだけTECCMCへ近づき搬送します(陸送で1時間近くかかる場所).

現場直近から10分もかからず赤タッグの患者さんがTECCMCへ搬入されます.そして,そのまま黄色タッグの患者さんをピストン搬送で向かえに飛びます.これこそが,豊岡ドクターヘリの醍醐味.2 flight doctor制と消防との密接な関係.

赤タッグの患者さんは頸髄損傷,IIIb型肝損傷の重症外傷と判明.初療担当医の番匠谷先生,岡先生が賢明な治療を行っています.



本日もドクターヘリが有効活用され,地域の皆様のお役に立てた1日でありました.消防をはじめ,ご支援,ご協力をいただいている皆様に感謝申し上げます.



さて,本日から「念願の」格納庫の運用が開始されました.運航終了後,ドクターヘリを格納庫へ!



これで,天候不良時の但馬空港への帰投の心配も,空港視界不良時の離陸不可の問題もなくなりました.朝の運航開始,点検もスムーズになり,一早く要請に応えられる体制となります.また,機内の資機材の積み卸しも必要なくなり,医療スタッフの負担軽減にもつながります.

格納庫,給油施設が揃い,何のストレスもなく豊岡ドクターヘリが本格的に稼動いたします!!引き続きのご支援とご尽力のほどよろしくお願い申し上げます.

2011年3月27日日曜日

3月27日 THANK YOU!!

これはTECCMC全員の感謝の気持ちです.本当にお世話になりました.ありがとうございました.ドクターヘリ伝説のパイロットさんです!

video

いろいろなことを教えていただきました.長年,お疲れ様でした!



本日のドクターヘリは小林,番匠谷先生,林田看護師.晴天です.

☆ドクターヘリ1件目 CPA

「意識無し」のキーワードで同時要請.陸送であれば直近病院まで20分以上かかる地域です.ドクターヘリは10分もかからず現場上空へ到着.救急車とポンプ車を見つけ,その直近に着陸可能な場所も確認します.ランデブーポイントに着陸しても現場まで5分以上かかりそう.であれば上空および地上から安全を確認し直近に着陸です.


そしてそこからは現場までダッシュ!番匠谷先生は重さ10kg以上あるトーマスバッグを担いでまずダッシュ!その後ろを林田看護師もダッシュ!!最後は一番重量のあるオートパルスを小林が担いでダッシュ!!!皆,患者さんのもとへ1秒でも早く・・・

現場からALS施行しつつヘリで直近の拠点病院へ4分で搬入,治療を引き継ぎます.



本日はこの1件のみでした.



本日の初療は100人を越えています.救急車の応需は必ず行い,対応しなければなりません.歩ける方はまずお昼間に「休日診療所」を受診してください.地域の救急医療は我々だけではなく,住民の皆様のご協力も必要なのです.



2011年3月26日土曜日

3月26日 まだまだ

まだまだ寒い・・・今朝はまた寒さがぶり返し.ランデブーポイントでは突然の降雪.夕方は雪雲が迫ってちょっと早く空港へ.今年はなんだか変な天候です.春の到来が待ち遠しい今日このごろです.

今日も初療は賑わっています.年度末で初期研修医の先生方も少なく,なかなかやりくりが大変です.ふ〜.

昨夕は但馬地域メディカルコントロール協議会が開催されました.地域版の救急搬送基準などを協議しましたが,特に大きな問題,指摘なく終了しております.救急隊も搬送先選定に難渋することなく,各拠点病院の役割認識もしっかりされている地域だからこその会議経過でした.

本日のドクターヘリ・カー担当は小林,松井先生,福本看護師.

☆ドクターヘリ1件目と2件目と3件目(全てが連続!)

お昼前に要請です.覚知同時要請.「突然の意識消失.脳梗塞疑い.」 脳梗塞に対する血栓溶解療法は発症からの時間との勝負です.

飛行時間は5分強.陸送ならTECCMCまで40分以上かかるでしょう.ランデブーポイントに救急車が到着しているのが上空から確認されます.着陸,すぐに診療開始です.意識レベルは開眼されていますが,反応に乏しい.左上肢に麻痺があります.血圧は高め.低血糖なし.脳梗塞よりは脳内出血かも・・・

その時,別事案の要請です.「脳梗塞.施設間搬送でTECCMCへ.」 1件目の出動前に調整し,なかなか要請が入らなかった事案がこんな時に.目の前の患者さんはすでに医療介入が始まり,診断が優先されても良い状況です.別事案は診断がついており,治療を急ぎます.

「松井先生,福本君は救急車で直近の病院へ一次搬入をお願いしてください.そこで診断をつけて,必要ならヘリで再度迎えにきます.ヘリは小林を乗せ,施設間搬送にまず対応します.」

施設間搬送のランデブーポイントはすぐ近く.数分で移動.やって来た救急車の中で呼吸,循環,意識を簡単に確認し速やかにTECCMCへ搬送します.幸い,麻痺は改善してきているようです.

初療搬入直前,案の定松井先生から連絡が.「出血です.手術適応も考えTECCMCへ搬送をお願いします.一次収容の病院で呼吸,循環の安定化をはかってランデブーポイントに向かいます.」

2事案目の患者さんを初療に搬入し,本日の初療責任者・岡本先生に申し送りを終えたところで,先ほどの事案(今度は施設間搬送の扱いになります)の要請です.

ドクターヘリは5分ほどでランデブーポイントに到着.程なく救急車も到着し,松井先生,福本看護師が降りてきます.患者さんはすっかり安定化されており,安全に搬送可能な状態です.さあ,TECCMCへ帰投です.



消防,一次収容先病院の皆様方のご協力により,このようなミッションを行う事が出来ました.感謝申し上げます.どうぞ今後ともよろしくお願い申し上げます.



しかし,重なる時はいろいろと重なりますねえ・・・

2011年3月25日金曜日

3月25日 格納庫

悲願の格納庫が完成しました.運用は28日からになりますが,一足先にお披露目です.


これで運航スタッフも医療スタッフも全員心も体も楽になります.ちなみに一緒に写っているのはJA822H(定期点検中)ではなくて,代替機のJA818Hです.

本日のドクターヘリは小林,岡先生,藤巻看護師が担当です.

☆ドクターヘリ1件目 目撃ありCPA

同時要請です.CPAで有効性を発揮するためには覚知同時要請しかありません.救急車で陸送するよりも医療介入までの時間短縮は30分近くであると推測されます.本事案の要請のタイミング,判断は非常に適切かつ的確です.

救急車内で必要な治療を速やかに行い,速やかに直近の拠点病院へヘリ搬送です.いつもお世話になりありがとうございます.

☆ドクターヘリ2件目 意識障害

同時要請です.食事中に突然の意識消失,いびき様呼吸.これは緊急度,重症度の高い疾患が疑われます.現場は適切な医療機関搬送にかなり時間を有するところ.ドクターヘリもランデブーポイント到着まで10分以上かかります.

ドクターヘリがランデブーポイントに近づく直前,突然に降雪が!何とか視程は確保されていますが,指示されたランデブーポイントに着陸したまま患者搬入を待つと,飛行不能になる危険性のある天候です.そこで,視程の確保されている今この一瞬に医療スタッフだけランデブーポイントに降ろし,天候の心配のない別のランデブーポイントへドクターヘリを移動,治療を行いつつ救急車もそこへ移動し搬送にかかるミッションとします.

医療スタッフは必要な資機材を持ち,ヘリから救急車へ.医療スタッフを降ろしたヘリはすぐに離陸,別のランデブーポイントへ向かいます.と同時に医療スタッフを乗せた救急車もランデブーポイントへ向け出発!早期医療介入だけではなく,搬送時間の短縮も大いに効果を発揮させるための方策です.

患者さんは深昏睡の状態.舌根の沈下,痙攣,瞳孔不同もみられます.脳血管障害・・・であれば低酸素による二次性脳損傷を防止しなければなりません.また血圧の急激な上昇には最新の注意が必要です.ランデブーポイント到着まで10分はかかりません.その間に全ての治療を完了させなければ.小林,岡先生,藤巻看護師,救急隊,各々が自分の役割,動きを瞬時に判断,理解します.小林は末梢ルート確保,血糖チェック,救急隊がテープ固定している間に藤巻看護師が用意した鎮静薬,鎮痛薬,筋弛緩薬を投与.この間に岡先生は藤巻看護師と共に気管挿管の準備.薬剤の効果が現れたころには気管挿管の準備も完了し,そのまま気管挿管完了.もちろん救急隊はセリック法で胃内容物の逆流を防ぎます.そして,バイタルチェック.挿管チューブの固定は岡先生,救急隊が行います.

ランデブーポイント間の移動中に全ての初期治療は完了.救急車がランデブーポイントに到着する直前にドクターヘリも着陸,そして車内から機内へ速やかに移動し,TECCMCへ搬送です.

治療開始から機内収容,離陸までの時間経過はいつものミッションと変わりません.チームワークと救急隊との連携,顔の見える関係がこのようなミッションを実現させます.そしてその恩恵を患者さんへ.

☆ドクターヘリ3件目 出動後キャンセル



今日は夕方に小腸穿孔の手術.番匠谷先生,岡先生,小林で担当です.ヘリの運航時間内であったため,ヘリ担当は松井先生へ交代.全てのフライトドクターがこの1年で100フライト以上をこなし,いつの間にか独り立ち.なかなか良いセンターになりました.



昨日から今日の夕方まで医学生さんが見学に来られていました.TECCMCの初療,集中治療管理,緊急手術の様子などを体験していただきました.救急医志望だそうです.WALK INから重症外傷までを診療し,救急車を断らない救命救急センターで研修されることを強くお勧めしました.TECCMCもその候補でありたいと思います.



さて,今からもう1件緊急開腹術です.幸部先生,松井先生,小林でがんばってきます.日本が大変な時期ではありますが,我々は今できる医療を地に足をつけて粛々と行います.

2011年3月22日火曜日

3月22日〜27日 災害派遣第2陣の情報

3月22日から第2陣目の救護班を派遣しています.その活動報告をブログ上にまとめたいと思います.


3月17日,第2陣の災害派遣,ドクターヘリ派遣を検討している中,兵庫県から救護班派遣要請がきました.1ヶ月以上にわたり,県の災害拠点病院,県立病院が順番で救護班として宮城県へ入るとの内容です.独自で向かうよりは,県からの派遣として現場に向かう方が良いと判断します.


3月18日,3月23日からの期間を当センターが担当したい旨,県に伝えます.


3月19日,正式に23日からの派遣決定.医局,看護部ともに勤務調整を行います.救命救急センターの勤務表改訂版を作成し,皆に配布します.留守を守る人達がいて,派遣される人がいます.災害時の派遣はこの協力体制があってこそ意義をなします.


3月21日,事前ミーティング.チームビルディングです.救護所のレイアウト,診療のながれ,災害時診療録,処方などについて話し合いを行います.診療録はエクセルファイルでの電子化を試みます.そして,資機材の確認,積み込みなどを空いた時間に派遣メンバーを中心に行います.


3月22日,まずは陸路で機材車が11時に出発,山形を目指します.業務調整員の薬剤師の方,事務の方が運転して出発です.






3月23日 4時に医療スタッフは伊丹空港へ向け出発.空いているスタッフで見送ります.




朝一番の山形臨時便で山形空港へ飛びます.そして,山形空港で前日入りしている機材車兼搬送車と合流し,陸路で宮城県石巻市へ向かいます.給油所は給油制限があります.






今回の支援場所は石巻市・鹿妻小学校避難所.お昼前に現地入り.被災状況を目の当たりにし,言葉を失います・・・








鹿妻小学校に到着.前派遣チームと30分少々での申し送りを行い,活動開始です.14時ごろから救護所での診療を開始し,19時ごろに終了です.






3月24日 以下,現地からの活動報告を転記します.


救護所の掃除から始まりレイアウト変更を経て2日目の活動は軌道に乗った印象を受けます.今日は17時に診察終了できました.

午前 53名受診(巡回患者含む) 歯科受診10名
午後 64名受診(巡回患者含む) 歯科受診4名
のべ131名受診  うち小児は約10名

他派遣病院の2名の医師と合同で3診開設.東北大歯科医師2名が本日のみ訪問診療.日赤からきた医師に往診を依頼.(これも本日のみ)

在宅で寝たきりで褥創を形成してしまった高齢者1名について,行政を交えて社会的支援の必要性を訴えたことで,石巻日赤訪問看護が入ることになりました(救護班介入終了).
当院救急車を使用して2名を石巻日赤へ救急搬送(上部消化管出血,高血糖・発熱).
1名を地元救急隊により石巻日赤へ搬送(寝たきりで肺炎疑い).
当救護所でフォローされていた自宅避難中の高血糖患者について家族より相談あり.紹介状を作成し119番対応.

資材,薬剤に関してはほとんど持参のものは使わずに現場にあるもので賄えています(前のチームがだいぶ資材をおいていかれました).
不足薬剤は宮城県,日赤を通して依頼できます.創洗浄が必要な患者さんは1日10名以下.点滴が必要な患者はおられません.点滴台は未使用のままです(事前情報とちがうような・・・).


「鹿妻小学校避難所情報」
避難者1035名 うち幼児30名,小学生66名,中学生25名,
外部支給者(自宅にいるが物資を受け取りに来る人)2967名

水:水道× 給水回数が増えており,米軍によるミネラルウォーターが大量に搬入されたため水不足はなし
食事:3食支給 火が使えないので暖かいものは炊き出しのもののみ
電気:○
毛布:1人1枚支給.全員に行き渡っています.
暖房:教室内避難者:なし 体育館避難者(ストーブあるが燃料不足のため,短時間のみ稼動)
衛生状態:トイレの手指消毒不足.手洗いできません.日赤に依頼し大量に搬入してもらい,各部屋,トイレに手指消毒を設置.仮設トイレは設置されており,掃除も当番制で行われています.汲み取りも業者が行っています.














3月25日 以下,現地からの活動報告を転記します.


本日から小児科チームも合流.Dr 5名体制で3〜4診を開設.折を見つけて巡回を実施.
さらに日赤救護班が派遣されてきて,別途1診を追加しました.
地域の方やアドホックでやってくる医療班から「体制が整っている」「整然としている」と,うれしいお言葉をいただきました.この言葉に浮かれることなく地域の方々にとって利用しやすい救護所運営の確立を目指して問題点の抽出と解決を目指していきます.

受診者総延人数:152名 
午前61名(うち小児10名)
午後60名(うち小児9名)
眼科受診者:31名
救急搬送 けいれん,頻拍 合計2名

小児科医がメンバーに加わったこともあり受診者も10−20人程度であるため,小児科ニーズは満たされている.兵庫県チームには常に小児科医1名、小児科看護師1名が含まれることになった.上気道炎,腸炎,感冒症状がほとんど.余力がある際には小児科のDrに成人の診察も協力していただいている.かかりつけの産婦人科が流されてしまい妊婦さんが検診を受けることができないため心配していると相談もあった.


「鹿妻小学校避難所情報」
避難者1008名(救護所間を移動する者,親類など被災地外に身を寄せるため移動する者が出てきており,現象傾向にある)

水:水道× 自衛隊の給水があり,ペットボトルの支援もあるため飲料水には困らないが,洗濯や洗面に使うほどの余裕はない.自衛隊が除染ブースのようなシャワーテントを張り,久しぶりのシャワーを喜んでいました.明日以降は別の避難所に移動するので次回いつくるかは不明.
食事:3食支給 今日は昼に炊き出しがあり長蛇の列.
配給制の食事の場合は各ブロックのリーダーを介して食事が分配されるため,もらえない人はいないのだが,屋外での炊き出しに関しては寝たきりの人やADLの低い人は歩行困難であるため受け取りにいくことができないのでそこが気になる.
子供たちが素手で炊き出しのおにぎりをほおばる姿が目に付く.すかさず三浦先生と手指消毒を乗せた机を列の前方に移動し,拡声器を用いて食事前の手指消毒を訴えました.もちろん,炊き出しをしている組織の方に下痢嘔吐が流行しているため感染拡大目的で行うつもりであると説明をして快諾していただいた.
飲料水は確保できているが暖かい飲み物や食べ物があるともっといいのにという希望も強くなってきている.給湯器があればなあ・・・

電気:○

毛布:毛布はあまっている.昨日日赤が支給した「安眠セット」が大好評.避難所リーダーより皆に行き渡るように日赤にお願いしてくれと懇願され,日赤に対して要望した.

暖房:教室内避難者:なし 体育館避難者(ストーブあるが燃料不足のため短時間のみ稼動)燃料不足に対しては市,自衛隊に要望しているが補充なし.

衛生状態:トイレの手指消毒の問題は解決.ただ手洗いはまだできない状況にある.
そういった状況で素手でおにぎりをほうばる姿をみると黙っていられず,出席した15時からのリーダー会議にて,メディカルとして感染予防策について再度周知徹底させていただいた.明日は正しい手指消毒の方法について実演,体験をする機会を設けようかなと思っています.公衆衛生活動です.

「救護所周辺情報」
救護所運営は軌道に乗っているが避難所周辺の被災者に介入する余裕はない.震災後これまで受けていた訪問看護がまったくこなくなってしまった例がある.

本日の活動報告は以上です.





巡回診療へ

 救急搬送




26日 救護所での最終診療日


診察待ち時間短縮のため処方のみの対象者,保健室までこれない避難者の往診を行うなど工夫をしている.そのため,初日は2時間待ちであったが待ち時間の短縮につながるようになった.


受診者総延人数:146名 
午前69名(うち小児8名)
午後77名(うち小児10名)
救急搬送1件(高齢者の高熱,肺炎疑い)→119対応

受診者の主な主訴は、発熱、咳、咽頭痛などの感冒症状や嘔吐、下痢などの消化器症状がメイン.その他多くが処方薬がなくなったための処方希望。創傷処置は1日5-10件程度。思っていたほど需要はない。時折炊きだし準備の際にやけどをしてしまった方などもきている。また、埃っぽい場所で寝泊りされているため、アレルギー症状を呈する方も多い。アレルギー点眼薬がよく出ている。
インフルエンザ疑いに対してキットを用いて数名簡易検査を行ったが幸い陽性者はいなかった。一部の方に対しては予防投与としてタミフル、リレンザの処方がなされている。
また、被災後2週間が経過し、疲労が蓄積されているのかヘルペスを発症している方がちらほら出てきた。(この日は4名)
小児は手足口病の子が1名受診、多くの子は発熱、腸炎、喘息での受診となっており、昨日と変わりなし。小児用のディスポマスクのマスクの補充が必要。

夜間、救護班不在時の相談役や日中のケア介助などを担ってくれる日本看護協会の災害支援ナースが2名、避難所に投入された。救護班との連携を調整。潜在的な要治療患者の発見と救護所への紹介、ケア介助、褥創患者の処置介助などを行っている。避難者の夜間の不安軽減に一役かっている。ただ、2人で24時間体制とるとのことで、過労にならないかちょっと心配。

本日も日赤救護班1隊がやってくる。避難所内診療で手一杯になっており、避難所周辺住民への巡回ができていないので、周辺地域への往診を日赤救護班に依頼した。日々、違う救護班が応援に来てくれるのだが、日赤内の申し送りが不十分である印象を受ける。また、日赤スタッフとのコミュニケーション不足のため、一部誤った(認識違いや事実無根の苦情)情報を日赤本部に報告されたりとトラブルを生じた。この件に関しては小林センター長にも同日夜間に電話にて報告している。明日、現場離脱報告の際に、日赤災害対策本部GMの責任医師に事情を説明しにいく予定。災害時というのは皆気が張っており、口調により受け取り方が変わってしまったり、尾びれがついて誇張されてしまったりすることが多々あるようだ。コミュニケーションがいかに重要か思い知らされた。

業務調整員として15時からの班長会議に出席。手指消毒の必要性を全体で訴えつづけ、避難者の方々の協力も得られ、子供も含めてかなり習慣付いてきた印象がある。
皆さんの協力にお礼を言うと共に、感染拡大時期であり、継続が必要であることを強調。
次のステップとして、マスクの正しい装着方法、手指消毒の方法について、皆さんに体験してもらいながら学んでいただいた。リーダーの皆さんが各セクションに持ち帰り、伝達をされることになっている。帰り際、リーダーさんに反応を聞いてみると、特に女性の方なのだが、頻回の消毒が原因で手荒れを起こしてしまっていて、痛みで消毒できない方が出てきている。医療者も普段困らされている状況が現地でも起きてしまっている。ただ、保湿成分入りの消毒薬がすぐに入るとは限らない・・・・どうにかならないか・・・

定刻どおり診察終了。本日をもって県立淡路チームはミッション終了。当チームは明日の引継ぎ準備をして現場を撤収。石巻日赤のミーティングに参加。

「石巻圏救護体制」
→石巻圏合同救護チーム(日赤救護班、他組織の合同チーム)
28日より石巻圏を14ブロックに細分化。それぞれにブロック幹事が割り当てられる。鹿妻・渡波地区は長野赤十字病院救護班が幹事となる。兵庫県立病院グループ、災害拠点病院グループは鹿妻小学校救護所を引き続き担当する方針。ブロック内のニーズによっては変更の可能性もありえる。

「鹿妻小学校避難所情報」26日17時現在
避難者1013名(うち体育館467名) 5歳以下32名
外部登録者 1370名(260世帯)

水;昨日報告と変わりなし
食事:本日も善意での炊きだしあり。うどんやいも煮などが振舞われた。外部の方で乳幼児を背負っている母親をよく見る。離乳食について確認。一応、レトルトのものはストックされており、必要に応じて提供しているが、温める手段がない。
電気:昨日報告とかわりなし
毛布:昨日報告とかわりなし
暖房:昨日報告とかわりなし
衛生:本日雨雪のため校庭がぬかるみ、仮設トイレや校舎内の泥汚れがひどい。
本日も自衛隊によるシャワー提供有。
妊婦情報:外部の260世帯のうち、数名の妊婦さんがおられる。避難所内はなし。検診に対する不安有り。

26日の報告は以上です。



救護所内の様子





 連絡掲示板です.これを見られて連絡があれば・・・

 巡回診療

 給水

 今回ご一緒させていただいた兵庫県の医療班です.




27日 午前中に次の救護班に引き継ぎを行って,空路組は新潟空港へ陸路で移動.陸送組は明日の午後に豊岡到着を目処に出発です.


昨晩、仙台市内の秋保温泉公衆浴場にて入浴したこともあり、すっきりとした目覚めとなりました。

ただ、連日の長時間のミッションもあり、みんなの疲労が出てきているように思います。やはり救護班は3泊4日程度が限界なのでしょう。

本日は次に引き継ぐ姫循と西脇HPへの申し送りがわれわれのミッションです。各職種で申し送りを行います。実際に診察を行いながら最終確認。確認が行えたところでわれわれのミッションは終了です。

避難所本部へ現場離脱の挨拶を行います。運営が軌道に乗り本部スタッフともよい関係が構築できた頃に現場離脱しなければならないのはつらいものです。
本部リーダーを務めているPTA会長の一條さんが「ずっといてくれればいいのに」と声をかけてくれたことが私たちのミッションに対する評価だと受け取りたいと思います。

10:10現場離脱。

石巻日赤へ離脱報告と昨日のトラブルに対する確認と説明に伺う。要はコミュニケーション不足が問題の発端ということでお互い気をつけましょうということで落ち着きました。

途中、石巻港周辺を経由して、被災状況のひどさを目の当たりにしました。12時すぎ、石巻を離れました。

17時すぎに新潟空港着。倉橋Dr,三浦Dr,毛戸Nsを降ろす。18時半のフライトにて伊丹へ移動予定。
陸送班、大垣ph、藤田は本日の宿泊地上越市へ移動。
ホテルにて夕食、入浴を済ませ、報告書も作成せず爆睡。
2日分の報告をためてしまい後悔・・・

23時に空路組が病院着。その頃、私は夢の中。
明日の運転に備え体を休めます。

27日の報告は以上。



1日も早い復興を心よりお祈りいたします.

 但馬4消防本部の1つ,朝来市消防本部からも応援に来られています.


23時前,空路組がTECCMCへ無事帰ってきました.大変お疲れ様でした.ゆっくり休んでください.


28日 16時 陸送班が無事到着.本当に本当にお疲れ様でした.


まだまだ被災地は医療だけではなく様々な支援が必要です.今,我々に何ができるか?何をすべきか?良く考え,必要あらば第3陣目の医療班の派遣を考慮します.

2011年3月14日月曜日

3月14日 災害派遣4日目,そして日常業務へ・・・

さて,豊岡に向け出発です.


9時16分 無事帰投.今回の派遣スタッフです.お疲れ様でした.


機内の荷物,資機材を整理し10時から通常のドクターヘリ運航開始です.そして,いつもの日常に戻ります.

今回の災害派遣では様々な問題点に直面し,課題がみえてきました.国レベルで解決すべきことも多いと感じております.

東日本大震災で被災されました方々に心からお見舞い申し上げますとともに,1日も早い復興をお祈りしております.

さあ,待っていた日常は・・・ドクターヘリ6件出動でした.詳細はまだ後日に・・・

2011年3月13日日曜日

3月13日 災害派遣3日目

5時20分 起床.大阪ドクターヘリチームと共に宿舎を後にし駐屯地へ徒歩で向かいます.外はまだ暗く,底冷えがします.トイレは桶にくまれた水で流し,手は消毒剤で洗います.顔をウェットティッシュで拭き,準備完了.そしてヘリも日の出とともにミッション開始可能なように準備を行います.


駐屯地内に設置されたSCUへおもむき,朝のミーティング.情報を収集し共有します.しかし,未だSCUへの搬送連絡はなく,ヘリミッションの指令もきません(携帯がつながらない!).災害急性期,どこも混乱を極めています.


しかし,必ずヘリでの域外搬送の需要はあるはずです.すると8時30分すぎ,施設間搬送(域外搬送)のミッション連絡が入ります.SCUを通さず,直接施設間同士への搬送です.宮城県災害対策本部から福島県立医大運航管理室を経由してSCUへ連絡がありました.今回のミッションは幸部先生,藤巻看護師に飛んでもらいます.小林,藤田看護師はSCUでの情報収集とミッション連絡を待っての調整を担当します.

8時40分 霞目駐屯地離陸し東北大学病院屋上ヘリポートへ4分後に着陸します.しかし,大学側にうまく情報が伝わっておらず,少々患者さんの搬入に時間を要します.日常とは異なる状況,これは致し方ありません.


9時20分 東北大学病院ヘリポートを離陸,患者さんは脳挫傷.9時39分 山形の病院のヘリポートへ着陸し待ち構えておられた山形DMATに患者さんを引き継ぎます.ここは情報が上手く伝わっており,スムーズなミッションです.


山形の病院を後にし,霞目駐屯地へ帰る途中の山形空港で給油です.ここで山口ドクターヘリと初対面.手前が山口ドクターヘリ,真ん中が豊岡ドクターヘリ.機体の違いがわかりますか?給油中にお互いのスタッフで挨拶をかわします.


給油を終え,霞目駐屯地へ.その途中,海岸線に黒煙が・・・未だコンビナート火災が鎮火されていないようです・・・


霞目駐屯地に帰投,次のミッション指令待ちです.自衛隊のご配慮により,SCU前にドクターヘリ用のヘリポートを確保していただきました.向かって右が豊岡ドクターヘリ,左が大阪ドクターヘリです.同じ機体,同じ運航会社,同じ関西.少しでもお役に立ちたい・・・


お昼を過ぎたころから市内の病院からSCUへの搬送依頼,そこから域外搬送依頼が入ってきます.ミッション依頼は3件.現在霞目駐屯地で活動可能なドクターヘリは2機.ミッション方法などを大阪チームと協議します.すると福島県立医大のCSから連絡があり,福島に駐機しているドクターヘリ1機をこちらに向かわせるとのことです.これなら1機1ミッション!

13時25分 搬送車がSCUに入ってきます.そしてそのままドクターヘリのストレッチャーに乗せ換えヘリへ搬入.


13時35分 山形の病院へ向け離陸します.患者さんは多発骨折.13時55分 山形の病院のヘリポートへ着陸し,その病院の初療へ搬入します.引き継ぎも問題なく終え,ミッション終了.


山形空港で給油です.ここも消防防災ヘリが増えてきました.


15時02分 霞目駐屯地へ帰投.追加ミッションの有無を確認しますが,無さそうです.ここでそろそろ豊岡へ向け,いつ出発するかを決める必要があります.派遣日数を考慮したメンバーの疲労程度,帰りの飛行時間,ここでのドクターヘリの需要,天候,災害状況などいろいろな要因を加味し,本日の夕方で撤収,途中まで帰投することにします.その旨,福島県立医大CSへ報告,許可をもらい最終決定です.まだまだここで貢献したい思いも強く,後ろ髪ひかれる思いではあります.被災地の皆様,申し訳ありませんが豊岡に帰投いたします・・・

16時00分 霞目駐屯地を離陸.本日は埼玉にあるホンダヘリポートまで向かいます.そこで夜間駐機,我々も埼玉で宿泊です.飛行中に上空から見た沿岸の状況は忘れることは出来ないでしょう・・・1日も早い復興をお祈りいたします.

17時12分 ホンダヘリポート着陸.給油を行い,今宵の宿へ向かいます.そして今回の派遣スタッフ全員で反省会を兼ねた食事に出かけます.着替えなどありませんから,フライトスーツに現場用のブルゾン,安全靴.するとお店にいたお客さん達から暖かい声をかけていただき,お店の大将からは暖かいお味噌汁が.このお味噌汁の味は一生忘れません.日本人の暖かさと,当たり前のことを当たり前に出来ることのありがたさを痛感します・・・


必ず第2陣,第3陣のDMAT隊,救護班をまた派遣します.今回よりももっともっとお役にたてますように・・・