2011年6月30日木曜日

6月30日 今月のドクターヘリとドクターカー

今日で6月も終了です.今月のご報告です.

ドクターヘリ(6月)
要請 129件  出動 117件

ドクターカー(6月)
出動 5件

今月もドクターヘリ,ドクターカーを有効にご活用いただきありがとうございます.いろんな形で地域の皆様のお役に立てております.来月以降も引き続きよろしくお願い申し上げます.

ヘリとカーのランデブー


本日は朝から初療は嵐が吹き荒れました.カンファレンス中に三浦先生がもつホットラインが鳴ります.「バイク事故.全身観察で皮下気種バリバリ.3分で行きます!」 救命士さんからの的確かつ迅速な情報で初療に救急医集合!

患者さんの搬入,primary surveyはBCの異常.特に呼吸状態は最悪です.左右に緊急脱気を行いつつ,胸腔ドレナージ.右は沸き立つエアリークと血胸,左は血胸.酸素化は改善せず,チアノーゼ著明.胸部レントゲンでは右肺の虚脱と左肺の高度肺挫傷.右は気管支断裂!?左肺もつぶれてる!!気管挿管でも酸素化が保たれず,著明なアシドーシスの状態です.初療担当医の岡先生はECMO導入を決意,そのままカテ挿入にうつります.しかし,呼吸,循環が保たれません・・・右胸腔ドレーンからは1L以上の出血・・・

「開胸!」と同時に「PEA!胸骨圧迫!!」初療は戦場です.まず右開胸しhilar twist.検索すると右主気管支の完全断裂と肺門部からの出血.皮切を左に伸ばしてclamshellへ.やはり左肺の肺挫傷は高度です.吉山先生が心マッサージ,小林は自動吻合器を用いて右肺摘出し気管支断端の縫合閉鎖.と同時に岡先生がECMOからPCPS へ切り替え,導入.心臓は何とか動いています.しかし,胸腔内の出血が制御しきれません.deadly triadです.

やることは全部やりました.PCPSを回したままICUへ・・・厳しい戦いです.TRISS Ps 0.2・・・

ERTの横では骨盤骨折,重症熱傷など次々に搬入されました.こんな日もあるんです.暑くなってきました.皆様,どうぞご自愛ください.


本日のドクターヘリ(担当は岡本先生,前山先生,林看護師)は6件出動.現場4件,施設間搬送2件です.施設間搬送はTECCMCへ1件,TECCMCから1件.現場は転落1件,交通外傷3件.

覚知からヘリ要請までの時間も短く,どれもGOOD MISSIONです.

交通外傷の1件は離陸後キャンセルとなりましたが,覚知段階で複数傷病者の存在,事故現場の場所,ランデブーポイントに支援車が到着する時間などを考え,ドクターヘリ,ドクターカーの同時出動ミッションです.医師が現場に早く到達すれば,手段は何でも良し.空から陸から現場に向かいます!


暑く,熱い夏がやってきます.



現場直近着陸!(本文とは関係ありません)




2011年6月19日日曜日

6月18日〜19日 ITLS ADVANCE COURSE〜コウノトリコース〜

18日,19日とTECCMCで「ITLS ADVANCE COURSE〜コウノトリコース〜」が開催されました.

CMD:岡先生
SCMD:小林(何もしてませんが^^; 施設責任者ということで)
CC:林看護師
SCC:安積看護師
SCC(GK):米田看護師

フライトチーム+地元消防救命士さんのAFと,熱き病院前外傷救護のコースとなりました.受講生の皆さんも勉強になりましたか?

懇親会の一幕(最近飲み会謝の写真多いですね^^;)

6月13日〜19日 韓国からのフライトドクター来日!

今年9月からお隣の国,韓国でもドクターヘリが運航開始です.その記念すべき韓国のフライトドクター第1号となる救急医が,TECCMCで1週間研修されました.ドクターヘリの運航,要請,現場治療,センター受入など様々なことを学ばれました.

会話は全て「英語」.母国語でないもの同士,身振り手振りなどでコミニュケーション^^

初日はカンファレンスで紹介の後,一緒にICU, HCU回診.患者さんの概要を説明します.それからドクターヘリに搭乗するための「安全講習」.機長さんがスライドを全て英語にして下さりました.講義ももちろん英語.ん〜,もっと英会話勉強しとけば良かった・・・

安全講習

安全講習の後はいよいよ実機へ.人生初めてのヘリだそうです.

シートベルトを装着しましょう^^

後ろからストレッチャーを出し入れします.

そして運航管理室へ行って,要請から出動の流れを説明.覚えることがいっぱい・・・がんばれ〜.そして一通りのオリエンテーションが終了し,いよいよOJT開始です.要請はあるでしょうか・・・?

さてさて,日本での研修・見学の一環として1日,消防本部へ行っていただきました.指令課の様子などを通訳役の三浦先生と共に見学です.ご協力いただきました豊岡市消防本部に感謝申し上げます.

また,最終の2日間は当センターで開催した「ITLS Advanve course」を見学してもらいました.韓国にはITLSもATLSもまだ入ってないとのこと.病院前外傷診療のやり方に興味津々.良い体験が出来たようです.

フライトOJTは11フライト.現場(内因性,外因性),施設間搬送など全て体験してもらいました.最終日には現場開胸も見ていただき,救急医が現場に出向く意義を少しでも理解出来たのではないでしょうか.

搬入 その1

搬入 その2 すっかりTECCMCのメンバーです.

日本の居酒屋も体験.運航スタッフと一緒に親睦を深めます.

韓国にも仲間が増えました!

TECCMC一同,韓国のドクターヘリ事業の成功を祈念いたしております!


今日はちょっとしたおまけ画像を掲載します.医療スタッフがランデブーポイントから支援車で現場へ行ったり,救急車に同乗して病院搬送している間,ランデブーポイントに駐機しているドクターヘリはどうしているのでしょう??はい,出来るだけ地域の皆様にドクターヘリを身近に感じていただく目的で,見学会を催しております.ドクターヘリは地域救急医療の一つのシステムです.ランデブーポイントの離着陸などでご迷惑をおかけすることもありますが,何卒よろしくお願い申し上げます.

ハイ,チーズ!

 将来はフライトドクター?フライトナース?機長?整備士?

 老若男女^^

 興味津々のご様子.

 野球の練習中に着陸.練習中断で記念撮影.礼儀正しき野球少年達.

救急車がいない状況であれば,ランデブーポイントで「見学して良いですよ〜」と声をかけさせていただきます.それ以外の時は,消防,警察の方の指示に従い,離れていてください.離着陸時はダウンウオッシュが強く,台風並みの風が吹きますので.

地域の皆様方のご理解とご協力あっての救急医療,ドクターヘリ事業であります.今後とも引き続きよろしくお願い申し上げます.










2011年6月18日土曜日

6月18日 クマが出た!

時季外れのクマ!ドクターヘリ初のクマ外傷.クマがおかしいのか・・・

本文と画像は一切関係ありませんm(_ _)m

ドクターヘリ担当は小林,池田先生,安積看護師.本日は5件出動です.クマさんの他には不全切断,意識障害など多彩な内容でした.

そんな中,現場から救急車で直近の病院へ池田先生,安積看護師で搬送,小林がランデブーポイントでお留守番と別事案要請に待機していると,やはり別事案要請.ヘリはその前からの連続出動で燃料補給のため,TECCMCへ一端帰投します.その間に山邊先生が予備役剤を携え,ヘリポートへ.そう,第3のフライトドクター.層の厚い(厚くなった)TECCMCならではの体制です.

そして,フライトナース不在のままフライトドクター2人で現場へ!ナースの代わりは全部出来ませんが,お互いがサポートしながらの現場活動です.麻薬などを含めた予備薬剤(セカンド薬剤,と呼んでます),複数のトーマスバック準備など,連続,重複事案対応は抜かりありません.



2011年6月13日月曜日

6月13日 医療救護班

本日から17日まで当院から宮城県へ医療救護班が派遣されます.兵庫県からの要請を受けての派遣です.TECCMCから池田先生が出動です.

朝3時30分に豊岡病院を出発!お気を付けて!!

池田先生,ランデブーポイントに立つ!
本文とまったく関係のないがぞうですm(_ _)m



2011年6月11日土曜日

6月11日 こんな日も

本日のドクターヘリは山邊先生,岡本先生,森田看護師が担当です.

本日は現場3件出動.そして3件ともに「脳血管障害」.こんな日もあるんですね.そして何よりも患者さんによって良いことは,全事案「覚知同時要請」.救急覚知から医療介入開始までが20〜25分.3地域共に現場からTECCMCまでの搬送時間は50〜60分かかります.救急隊の現着までの時間,現場活動時間などを考えると,ドクターヘリの効果がいかに絶大かあらためてわかります.

そして,何よりこのシステムが有効に活用出来ているのは,消防の覚知同時要請がしっかりなされているからです.facebookではありませんが「いいね!」無限大です!

iMovieで短編の宣伝用ムービーを作ってみました.
センター長の現実逃避・・・
video



2011年6月10日金曜日

6月10日 支援車でGO!

本日のドクターヘリは小林,長嶺先生,安積看護師.

2件出動(施設間搬送1件,現場1件)です.

ドクターヘリで近くのランデブーポイントに着陸し,支援車で現場へ向かう(送っていただく)ことも多々あります.支援隊の皆様のご協力に感謝です.

支援車でGO!
video






2011年6月9日木曜日

6月9日 現場からの要請

本日のドクターヘリ担当は小林,吉山先生,藤巻看護師.朝の点検もいつも通り入念に行います.

☆ドクターヘリ1・2件目 交通外傷(複数傷病者)

朝のカンファレンス中に要請PHSが鳴ります.いつもの光景なので,最近は皆平然とプレゼンを続けています.

覚知同時要請.こちらもいつもの要請形式なので,ヘリスタッフは平然と離陸します.ドクターヘリ・カーシステムが根付くとこうなるんですね.いわゆる「日常の光景」.

離陸後,吉山先生は運航管理室に傷病者情報を聞きます.「トラックと乗用車の事故.複数の傷病者がいる模様.1人は車内閉じ込め.」大変そうな事案です.機内では藤巻看護師が輸液を2セット用意.内1セットは加圧バック付き.

10分もかからずヘリは現場上空へ到着.上空から事故現場を確認します.「こりゃ,大変だあ・・・」 現場直近に着陸可能な場所がないか確認しますが,谷間でもあり適当な場所が見当たりません.と同時にヘリ支援隊からランデブーポイントの安全確保完了の無線連絡が.ならばランデブーポイントへ着陸し支援車で現場へ向かうのが一番の早道です.

JA822Hドクターヘリは少々の砂塵を巻き上げながらランデブーポイントへ着陸.医療スタッフは足早に支援車へ乗り込み現場へ向け出発!当然,ヘルメット,革手袋装着済み!!

数分で現場到着.トラックとつぶれた乗用車が2台.1台の運転席に傷病者が1名閉じ込められ,救助作業中.現場救急隊たちは知った顔ぶれ.状況を速やかに確認し,活動方針を擦り合わせます.

「1名はたった今,救急車収容済み.1名は救出に30分近くはかかるでしょう.1名は歩行可能.」
「吉山先生,救急車内の患者さんを診て!藤巻さんも一緒に.小林は救出中の患者さんの状況を確認.」

・・・救急車内の患者さんは幸いにもABCDは安定しているようです.すぐにでも現場離脱可能.ならばヘリでTECCMCへ搬送し,その間に救出作業を行い,救出後に再びヘリでのピストン搬送を決断します.そうと決まれば行動あるのみ.吉山先生を乗せた救急車はランデブーポイントへ.そこで1人目の患者さんをヘリへ搬入し,吉山先生同乗にて搬送です.

現場では救助作業中.救命士さんに「患者さんの評価から救助優先か治療優先か教えて!」と問いかけると,「初期評価では若干脈の触れは弱く,全身観察で左呼吸音の減弱もありそうですが,まだ救助優先で!」即座に答えが返ってきます.その指示に従い,小林,藤巻看護師は安全な場所で待機しつつ,歩行可能なもう1人の傷病者の診察を行っていると,現場上空をJA822Hドクターヘリが飛んで行きます.まるでドラマ・コードブルーのような構図ですが,これが北近畿のリアルな救急現場です.

「作業スペース確保!バックボード用意!・・・1,2,3,救出完了!!」と同時に現場での外傷初期診療開始!意識,呼吸は問題なさそうですが,冷汗があります.やばいかも.速やかに全脊柱固定を実施し,救急車内へ.バイタルチェックと輸液路確保,そしてFAST.「腹腔内出血!?後腹膜血腫!?マシモでモニタリングしながら搬送するよ.」 救急車はランデブーポイントへ向け出発,と同時に運航管理室から携帯に連絡,「2,3分後にヘリはランデブーポイントへ再着陸予定.」計算通りのミッションです.

救急車がランデブーポイントへ到着と同時にヘリも着陸,速やかに患者さんをヘリへ乗せ換えTECCMCへ.機内ではPVI, SpHbもモニタリングしながら輸液の調整を行います.

そして,ヘリポートからdirect trauma CTへ.陸送なら1時間以上かかる地域での閉じ込め事案,受傷から1時間程度で根治的治療に向け医療スタッフが動き始めました.もちろん,TECCMCへ同時に搬入したお二人とも救命しております.

☆ドクターヘリ3件目 呼吸困難(離陸後キャンセル)

覚知同時要請です.「突然の呼吸困難.意識も朦朧.」との情報です.ヘリは5分程度で現場上空へ.ちょうど救急隊も現場到着したようです.覚知同時要請だと,これだけ早く現場医療投入が可能な体制がとれるという典型事案です.

ランデブーポイントへ着陸する体制をとっていると,「ABCD安定.救急隊のみで直近医療機関搬送可能.ヘリキャンセル.」との無線連絡.大事に至っておられなかったようです.機内は安堵の空気に包まれ,帰投です.

適切な同時要請と現場判断.非常に良いヘリミッションでした.

☆ドクターヘリ4件目 小児アナフィラキシーショック

夕方の事案です.「小児,大豆によるアナフィラキシーショック.」現場救急隊からの要請です.陸送なら20分はかかりますが,ヘリなら数分でランデブーポイントへ着陸です.

ヘリが着陸すると,救急車はすでにランデブーポイントへ到着済み.車内に乗り込み診療開始.子供さんは意識朦朧とグッタリしています.顔も腫れぼったく,紅潮.呼吸,循環は保たれていますが,病歴,所見からもアナフィラキシーは間違いないようです.アドレナリンを投与し,速やかにヘリ搬送です.

幸い搬送中に意識レベルも改善し,元気に泣き叫ぶようになりました.安心 (^_^).


本日も的確かつ有効にドクターヘリを活用していただき,ありがとうございました.患者さんにとっては,間違いなく有益でありました.全ては目の前の患者さんのために,現場からの意思統一が出来ている地域は心地よいですね.


今日は消防防災ヘリの搬入もありました.山中での救助事案.防災ヘリ着陸時,ヘリポートを空けるためにドクターヘリは医療スタッフを乗せ,但馬空港へ避難(?)します.

但馬空港にて.TECCMCへ向かう防災ヘリ.小さくてわかんない??

搬送を終えた防災ヘリは給油のため但馬空港へ.ドクターヘリと防災ヘリの2 shot写真です.


吉山先生と藤巻看護師は防災ヘリに大興奮(←いつもドクターヘリに乗ってんじゃん (-_-; ).ホント,珍しもの好きですねえ.航空隊の皆様,お見苦しいところをお見せしましたm(_ _)m


皆様,本日もお疲れさまでした.



2011年6月8日水曜日

6月8日 観察力

初療に搬入される患者さんは1人たりとも同じ状態の方はおられません.本日も比較的珍しい「膵嚢胞(おそらく)破裂」による腹膜炎の患者さんが来られました.手術か?保存的加療か?腹部症状,血液データなどから総合的に判断して治療方針を決定します.ホント,いつもいつも悩ましいです.これも日々勉強ってことでしょうね.


本日のドクターヘリは小林,前山先生,清水看護師が担当です.

☆ドクターヘリ1件目 脳卒中

回診中に一斉PHSが鳴ります.小林,前山先生は病院3階の救命救急センターICUから階段でヘリポートまでダッシュ!転けないようにゆっくり急ぎます(←んっ?).

覚知同時要請.情報は「突然の右半身麻痺,構音障害.」です.ヘリは一直線にランデブーポイントへ.

冬場は車と雪で埋まるリフト乗り場.

救急車到着までの作戦会議.

ほどなく救急車が到着します.医療スタッフは救急車内へ乗り込み診療開始.CPSS 3項目陽性.気道,呼吸,循環はいけてます.発症時間もはっきりしており,血栓溶解療法が可能かもしれません.ならばTECCMCへ搬送しましょうか.と患者さんの居住地を調べると,「あら,○○市だわ.」治療後のリハビリ,通院などの一貫性を考えると,地元病院への搬送が最善でしょう.幸いにもその地には脳卒中専門の病院もあります.救急車なら3時間はかかるでしょうが,ヘリなら20分程度.治療開始には十分間に合います.

脳梗塞なら1分1秒が惜しい.早速,受入要請を携帯電話で行います.「○○歳の患者さん,症状は・・・.」すると,「ハイ,どうぞ.」と快く応需していただけました.とその直後,先方の先生が「あの〜,実は私小林先生の大学の後輩でして・・・」 いや〜,懐かしい!というよりは心強い!!持つべきは同窓生.人のつながりはありがたい.

さあ,最速で搬送,後遺症軽減を目指しましょう!指定されたランデブーポイントに着陸後は救急車に乗せ替え搬送です.前山先生が同乗です.

☆ドクターヘリ 2件目 意識障害

1件目の患者さんを救急車に乗せ替えた瞬間に要請の電話が鳴ります.「意識障害.場所は・・・」さあ,出動!

「前山先生,患者さんを搬送後は自力でTECCMCまで戻ってきて〜!ゴメンm(_ _)m」と言い残し,小林,清水看護師は現場に飛びます.前山先生の置き去り率は現在1位です.患者さん最優先なので,許してください.

こちらも覚知同時要請.飛行時間はそこそこかかりますが,同時要請なのでランデブーポイント着陸と同時に救急車も滑り込んできます.


救急車内で速やかに診療開始.呼吸,循環はOK,意識は・・・反応鈍いなあ,でも麻痺無し,CPSS 0
項目,体温問題なし,低血糖なし.頭蓋内病変はなさそうです.輸液を確保し,直近の病院を選定,医療スタッフ同乗で搬送です.

病院到着時,意識レベルも改善,ちょっと元気になられました.輸液が良かったのかな?

☆ドクターヘリ3件目 頭部外傷(施設間搬送)

他院からTECCMCへの施設間搬送です.外傷は外傷専門医のいるTECCMCへ.

☆ドクターヘリ4件目 交通外傷

3件目の患者さんを搬送し,TECCMCのヘリポートへ着陸寸前に4件目要請.患者さんを引き継ぐためのストレッチャーも来ています.そして,前山先生も戻ってきています.ホットローディングで患者さんを引き継ぎ,JA822Hドクターヘリは再び大空へ舞い上がります.

「高速道路の事故.閉じ込めあり.」との無線情報です.急ぎましょう.機内では輸液などの準備を行います.途中,消防無線で救助完了,ランデブーポイントへ向かう旨,連絡が入ります.

ヘリは指定のランデブーポイントへ.数分後,救急車も到着,外傷初期診療が開始されます.幸いにもABCDはOK.FAST negative.しかし,高エネルギー外傷です.本来であれば救命救急センターへの搬送ですが,生活圏,医療圏を考え,外傷対応可能な近隣の拠点病院へヘリ搬送です.

いつも快く応需いただきありがとうございます.大変助かっております.

☆ドクターヘリ5件目 転倒(頭部外傷,腎損傷)

日勤帯も終了,の間際に要請です.覚知同時要請.「自転車での転倒.意識悪く,イビキをかいている.」まさに同時要請キーワード.これが当ドクターヘリの最大の強み.

10分もかからずギャラリーの多いランデブーポイントへ着陸,ほどなく救急車もやってきます.


救急車内で外傷初期診療開始.気道開通,呼吸問題なし,循環良し,意識も清明です.体表面の外傷は頬部の挫傷だけ,と思いきや「左側胸部にちょっと赤く打撲痕があります.現場では軽度圧痛を訴えておられました.」と救命士さんからの報告.FAST negativeだし,今は圧痛も軽快しています.搬送先は,地元の病院?外傷は厳しいなあ,頭部外傷があれば転医でTECCMCへ来るし・・・頭部外傷と救命士さんの観察結果から胸部外傷も疑って,TECCMCへ搬送とします.

搬送中もバイタルは安定.これならばdirect trauma CTで初療時間の短縮をはかりましょう.

ヘリポート着陸,そしてCT室へ.岡先生へ引き継ぎ,我々ヘリスタッフは夕礼からカルテ書きへ.すると岡先生からPHSへ連絡が入ってきます.「左腎損傷.IIIa型.extravasationもはっきりあります!」

救命士さんの観察力,ドンピシャリ!頭部,顔面に意識がいきがちな症例でしたが,救命士さんの観察結果から体幹部損傷も念頭におくことが出来ました.同時要請といい,観察力といい,非常にすばらしい消防力でまた1つ救命例が生まれました.

夕礼もそこそこに,緊急血管造影でTAE.いつのもごとく,IDCを用いたcoilingで止血は完璧です.病院前から病院内まで上手く輪が連鎖しました.


最後のヘリ症例の治療を岡先生と終え,小林は気分良く夜勤に入ります.本日も沢山の方々にお世話になりました.ありがとうございました.また大変お疲れ様でした.




2011年6月7日火曜日

6月7日 チーム医療

チーム医療,ここ最近良く言われている言葉です.今日はまさにそんな症例.

夕方,ヘリ番の松井先生,倉橋先生,森田看護師は一斉PHShが鳴ったと同時にヘリポートへダッシュです.離陸,「屋根からの墜落,意識無し.」との情報です.覚知同時要請,数分でランデブーポイントへ.そして,現場までダッシュ!推定医療開始短縮時間は20〜30分.

現場からの外傷初期診療.舌根沈下,気道閉塞気味,意識悪い!頭部に外傷あり!!同時進行で行われたFASTではnegative.やばい状況だというのは現場全員の認識です.急速輸液を行いつつ,鎮静下に気管挿管施行.安定した状態にしてTECCMCへ搬送です.

ヘリポートからdirect trauma CT.急性硬膜下血腫(midline shiftあり),肺挫傷,肋骨骨折,右腎損傷(造影剤漏出あり)・・・受傷から1時間以内に全ての診断がついています.あとは根治的な治療を最速で行うだけ.頭優先?止血優先??どちらも待ったなし!

「血管造影室で血管造影しながら穿頭.それから開頭へ!」 チームが一気に動きます.緊急輸血も始まっています.胸腔ドレーンも挿入済み.循環を把握するためのA-lineも挿入済み.穿頭は脳外科チームとオペ室看護師,血管造影は幸部先生,松井先生です.小林,番匠谷先生は他の緊急開腹術の準備.麻酔科の先生も定期手術,複数の緊急手術の段取りをしてくれます.ICU担当の前山先生は緊急開腹術の麻酔医に任命されます.

穿頭・・・一気に血液が吹き出します.血管造影,出血点を確認・・・そして,開頭術のために手術室へ.あとは脳外科チームにひとまず任せて,救命チームは術後の管理に備えます.

緊急開腹術が終了,隣の部屋では開頭術が行われています・・・

現場から手術,ICUまで,1人の患者さんを中心に全ての職種連携がはかられています.1つでも連携がとれなければ,チーム医療が行われなければ失われたであろう命です.「チーム医療」あらためてその意味を実感しました.


そして,もう1つ.チーム医療を行うための大切な大切なコミュニケーション.今宵は地域の消防,ヘリ運航会社の方々と親睦をはかりました.すばらしき熱い仲間達です!


ちなみに本日の集いの場所は,豊岡市にある「NEXT DOOR」(http://next-door.weebly.com/)さんです.おいしいお料理と素敵なお店の雰囲気,良い夜を過ごしました.



2011年6月6日月曜日

6月6日 今日は写真集

本日のドクターヘリは幸部先生,三浦先生,米田看護師が担当です.要請1件,出動1件.消防の皆様,受け入れ先病院の先生方にお世話になりました.ありがとうございました.


さて,本日は溜まっていた画像の紹介です.本文とも関係なく掲載しております.

ランデブーポイント

 ランデブーポイント

 ランデブーポイントで救急車とドッキング

 ランデブーポイント

 事故現場へ出動!

 現場直近,山中に着陸!

 雨の中,現場に向かう番匠谷先生,安積看護師,整備士さん
ずぶ濡れになりながらの現場活動・・・お疲れ様!

 現場直近に着陸,そしてダッシュ!

 ランデブーポイント

 ランデブーポイントで待つ・・・

 ランデブーポイントで待つ・・・カメラ目線は誰だ?

 ランデブーポイント

 ランデブーポイント

近くに住んでられる方々には少なからずご迷惑をおかけしているかと思いますが,ドクターヘリは安全を確保,確認し離着陸します.どうぞ引き続きのご支援,ご協力を賜りますようよろしくお願い申し上げます.



2011年6月5日日曜日

6月5日 日常

学会も終わり,センターに日常が戻ってきました.何が日常?・・・っと,答えにつまりますが.


今宵は夜勤です.初期研修医の先生がWALK INの患者さんのfirst touch.
「心窩部〜右季肋部の圧痛.エコーで胆嚢が腫大してそうで・・・熱もあります.」
「確かに胆嚢腫大してるね,壁肥厚はちょっとだけ,三層構造なし,fluidなし,っと.じゃあ,何を考えてどうする?」
「胆嚢炎を考えて採血を.」
「CTは要らない?」
「あっ,CTも撮ります.」
「採血結果などから胆嚢炎の重症度評価をして,治療方針を決めるけど,ガイドラインは知ってる?」
「えっ・・・・・・・!ガイドライン・・・・・・」
「ハイ,これね.これが急性胆嚢炎・胆管炎のガイドライン.診断基準から治療指針まで載ってるからよ〜く読んでくださいね.」
などと1例1例にやりとりをしながら外来を進めます.小生の研修医時代は「放置プレイ」「先輩の背中を見て学べ!」が当たり前.時代も様変わりです.

などと思いつつ,他の患者さんを診察していると,「先生,CTなんだか変なものが・・・」と先ほどの研修医の先生.どれどれと一緒にCTを眺めると,肝内胆管に気腫,ついでに胆嚢壁内にも気腫.ありゃっ,気腫性胆嚢炎だわ!急性胆嚢炎でも重症に分類されます.もう一度患者さんを診て,バイタルが安定していることを確認,でも熱が上がっています.血液検査上はまだ問題はなさそう.血液培養とって,緊急手術です.今なら最良の状態で手術が出来ます.幸部先生を呼び出し,小林,池田先生で緊急手術となりました.

研修医の先生にとっては診断プロセス,治療までが経験でき,非常に良い症例ではなかったでしょうか.この症例,どこかで見落としがあると患者さんは急変しています.研修医の先生,確実に良い仕事をしました.これが救急医学,救急医療の一端です.


本日のドクターヘリは小林,池田先生,林看護師が担当です.本日は4件要請,4件出動.

☆ドクターヘリ1件目 痙攣重積

池田先生がカップ麺を食べ終わり,汁まですすった直後に覚知同時要請です.「マラソン中に痙攣.」との情報.Vf?機内では準備が進められます.

ランデブーポイントに着陸.緊張の面持ち,救急車の到着を待ちます.


 <林看護師の屈伸運動>

救急車到着.痙攣は消失,過換気状態.循環はOK.速やかに機内へ収容.さてTECCMCへ搬送です.

と,その時「別件要請です!場所は・・・」と機長さん.ランデブーポイントはTECCMC帰投途中です.ならば,小林,林看護師を次の事案に降ろして,池田先生が1件目の患者さんを搬送です.重複事案に強い2 flight doctor制.

☆ドクターヘリ2件目 縊頸

1件目のランデブーポイントを離陸,数分後に2件目のランデブーポイントへ着陸し小林,林看護師は支援車に乗り込みます,そしてヘリは再離陸.JA822Hを何度地上から見送ったことでしょう.

支援車は医療スタッフを乗せ,現場へ.覚知同時要請だからこそ現場まで医療スタッフが行けるのです.最速の医療介入開始!

現場では救急隊,支援隊と共に治療と搬出を行います.現場のプロである消防の方々に搬出経路,方法をお願いし,我々は治療に専念します.

最短で救急車へ搬入,医療スタッフ同乗で直近の病院へ搬入させていただきました.応需いただきありがとうございます.

☆ドクターヘリ3件目 離陸後キャンセル

覚知同時要請では離陸後キャンセルは当たり前.キーワードに従った要請,ありがとうございます.

☆ドクターヘリ4件目 小児交通外傷

ここ数日,連続の小児交通外傷です.温かくなりましたが,皆様,どうぞお気を付け下さい.もちもん,覚知同時要請です.

現場上空から救急隊の活動が見えます.受傷機転も予測可能.そして,救急隊が出発と同時にヘリはランデブーポイントへ向け降下・・・

119番通報から20分で外傷初期診療開始.まだまだgolden hour内.頭部外傷!? そしてその10分後にはTECCMCでdirect CTが撮影され始めました.


徹底した現場からの医療開始,その結果,多くの患者さんに有益な医療を提供させていただくことが出来ています.まだまだ,余力はあります.遠慮無く,どんどん我々を使ってください.


本日もお疲れ様でした.綺麗な夕陽をバックに後片付け.良い季節です.





2011年6月4日土曜日

6月3日〜4日 第14回日本臨床救急医学会

第14回日本臨床救急医学会に小林,岡本先生,松井先生が当センターのネタで,池田先生,林看護師が前所属のネタで発表,出席しました.


6月3日(第1日目)
小林(ランチョンセミナー):「救急・集中治療における血行動態最適化を目指した患者管理」
小林(パネルディスカッション):「3府県共同運航ドクターヘリ事業の現状から考察される航空医療の展望と課題」

6月4日(第2日目)
松井先生(一般演題):「当地域の救急医療システムが救命に寄与した胸椎破裂骨折に伴う大量血胸の一例」
岡本先生(一般演題):「ドクターヘリ補完事業のドクターカー運用について」

いろいろなご意見をいただき,今後の糧となりました.ありがとうございました.また,沢山の刺激をいただき,益々頑張らねばと思っております.


3日の夜はTECCMC+αの兵庫県勢でささやかな院外医局会です.留守番をしている医局員の皆様,申し訳ない.美味しい料理をいただきました.お土産買って帰るから勘弁 m(_ _)m.



学会中でもTECCMCは通常営業です.

3日のドクターヘリは山邊先生,三浦先生,福本看護師が担当です.5件出動.

1件目)傷病者2名の交通外傷
フライトドクターは2名.十分に対応可能です.重症はヘリでTECCMCへ.軽症は近隣病院へ搬送です.

2件目)チェーンソーでの裂創
出血性ショックが疑われた覚知同時要請.ランデブーポイントでドッキング,TECCMCへ搬送です.

3件目)呼吸困難
覚知同時要請.ヘリがランデブーポイントに着陸と同時に救急車が到着,それに乗り込んで救急隊とともにご自宅へ.これぞ,最速の医療開始.覚知同時要請ならではのミッションです.現場から安定化させ,TECCMCへ搬送です.

4件目)小児交通外傷
覚知同時要請.ランデブーポイントで治療開始直後に別事案の要請.頭部外傷が疑われましたが,呼吸,循環は安定.山邊先生が救急車に同乗してTECCMCへ搬送です.

5件目)アナフィラキシー
覚知同時要請.三浦先生,福本看護師は前事案のランデブーポイントから離陸です.そして本事案のランデブーポイントで出動途中の救急車とドッキング,本日2回目の救急隊と共に現場へ!です.アナフィラキシーショック!現場から初期治療を行い,状態は安定,救急車同乗で近隣の病院へ搬送です.


4日のドクターヘリは岡先生,番匠谷先生,森田看護師が担当です.3件出動.

1件目)痙攣
覚知同時要請.119番通報から20分で初期治療開始です.陸送に比べ20分以上の医療介入開始までの時間短縮です.

2件目)離陸後キャンセル
覚知同時要請にはキャンセルはつきもの.むしろ,ヘリ要請が遅れて,患者さんに不利益になる方が「罪」です.

3件目)傷病者4名の交通外傷
閉じ込め事案.ランデブーポイントから支援車で現場へ,傷病者は4名!岡先生,番匠谷先生は「緑」2名,「黄」2名とトリアージします.「緑」の傷病者2名は救急隊のみで近隣の医療機関へ.「黄」のうちより重症者をヘリ搬送,残りの1名は岡先生救急車同乗で搬送です.現場ではいろいろ葛藤があったようですが,結果的には上手いこと現場をさばいてます.


なかなか濃い事案もあり,大変でした.そんな中でも協力をしていただける関係者の皆様へ感謝申し上げます.


さて,お知らせです.最新の「救急医療ジャーナル」に当センターのこと,豊岡市消防本部のことが掲載されています.ドクターヘリ,ドクターカー運用のことなどが載っておりますので,お時間のある方はご一読ください.






2011年6月2日木曜日

6月2日 ちょっと行ってきます

回診,外科的気管切開,緊急手術・・・終了し,「では行ってきます!」 そう,札幌で開催される日本臨床救急医学会に出発です.

今回は小林,岡本先生,松井先生が当センターから発表です.前施設所属分では池田先生,林看護師も発表します.

小林は自家用車で鳥取空港へ.鳥取空港,羽田空港,新千歳空港の乗り継ぎで札幌へ.翌朝からの打合せに出席するために前日入り.結局札幌のホテルに着いたのは23時を回っていました.さて,スライド作らなきゃ・・・

他のメンバーは明日午前中に現地入りです.ちなみに神戸空港から出発だそうです.気をつけて!


本日のドクターヘリは岡先生,長嶺先生,藤巻看護師でしたが,離陸後キャンセルが1件のみでした.平和が一番.でもセンター内はちょっとバタバタでした.


学会報告はまた帰豊してから書きたいと思います.

2011年6月1日水曜日

6月1日 関西広域連合ドクヘリ部会会議

本日は関西広域連合ドクヘリ部会の会議に出席してきました.場所は大阪.午後からの会議だったので,午前中に前職でやり残した臨床研究のデータ収集を行ってきました.豊岡に赴任してから,現場,臨床一辺倒なので,そろそろ臨床研究にも本腰を入れなければ・・・と思いつつも・・・の毎日です.

さてさて,会議は医療,行政,運航会社などの多職種で話し合われました.第1回目なので,おとなしく,おとなしく(笑).机上の検討だけではなく,現場の経験をふまえたものを作り上げなければと,あらためて感じました.

全くの余談ではありますが,会議の往復にJRを使いました.特急「こうのとり」.新車両導入で快適なプチ旅行です.


本当は但馬空港を使った空路がもっと,もっと便利なら良いのですが.


本日のドクターヘリは番匠谷先生,山邊先生,安積看護師が担当です.2件出動.

☆ドクターヘリ1件目 交通外傷

覚知同時要請.現場直近着陸,ダッシュで現場へ.救急隊と同着で患者さんの元へ到着!最速の医療介入開始です.

軽乗用車は電柱にぶつかり,そのまま水田に落下.救助後に外傷初期診療開始,そしてそのままTECCMCへヘリ搬送となっています.

☆ドクターヘリ2件目 交通外傷

覚知同時要請.しかし,天候が悪くヘリが到着出来ない可能性もあります.そこで,確実に医療介入開始を早めるためにヘリ,カー同時出動!ヘリが到着出来なくてもカーが対応出来ます.ヘリが到着出来ればカーはキャンセル.これは決して無駄足ではありません.

番匠谷先生,安積看護師がヘリへ乗り込み離陸,山邊先生がカーへ乗り込み出動.

幸いにも天候はギリギリ,ヘリは現場近くに着陸し,ヘリスタッフは車両とダッシュで現場へ.未だ閉じ込められた患者さんの救出中です.救助隊による救出,救急隊による処置,救出を待つヘリスタッフ.現場での多職種間の連携です.

救出完了!番匠谷先生は速やかに必要最低限の治療を開始,すぐにランデブーポイントへ向け救急車を走らせます.そしてTECCMCへ.


最近,番匠谷先生は現場出動率が高いような気がしているのは小生だけ?大変な2事案,関係された皆様大変お疲れ様でした.