2012年2月16日木曜日

2月16日 朝から日没まで

今朝は朝から天候良し.



爽やかに向かえた朝の初療に,ドクターカー担当の三浦先生が一酸化炭素中毒の患者さんを搬入します.レベルIII桁,血ガスでCO-Hbは正常値以上.高圧酸素療法の適応を考えるべき症例です.しかしこの近隣で同治療が可能な施設はありません.そこで朝一番から同治療可能な救命救急センターへヘリ搬送です!快い応需に感謝申し上げます.

本日のヘリ番は小林センター長,永嶋先生,福本看護師.男ばかりで濃い1日になりそう・・・


1件目の施設間搬送から帰投し,給油を終えると2件目の要請.意識障害にて離陸です.出動後約10分で幸いにも軽症キャンセル.


キャンセルと同時に3件目に対応.雪山奥深い場所.不穏状態の患者さん.安全な搬送には「鎮静」が絶対必要と情報から判断します.ドクターヘリは積雪の上に着陸,ローターを回し,浮力を保ったまま医療スタッフを現場投入し離陸します.


トーマスバックを背負った永嶋先生は腰まで雪に埋まりながら現場へ.不穏状態の患者さんに鎮静を施し,安全に搬送可能とします.雪の上を舟形タンカで移動,ヘリの浮力を保ったままバックボードでヘリへ直接搬入です.2年目のヘリ事業,雪上活動もちょっとづつ慣れてきました.現場で協力いただいた消防,警察の皆様,ありがとうございました.



ちなみに雪上といえばスキー場.今年はスキー場事案件数も右肩上がりです.



3件目の搬送を終え,永嶋先生は緊急手術の指導者として手術対応を岡先生,番匠谷先生と行います.永嶋先生の代わりはカー番を終えた三浦先生.カー番は長嶺先生です.


4件目,5件目は重複・連続事案.4件目の脳卒中の患者さんを近隣病院へ搬送し,そのまま5件目の虚血性心疾患疑いの患者さんへ対応します.覚知同時要請だからこそ,時間的余裕を持って重複対応可能になります.5件目の患者さんは薬剤投与しつつTECCMC搬送です.

寒空の下,病院選定中の三浦先生.




5件目の搬入を終えると,手術を終えた永嶋先生が帰ってきました.と同時に本日6件目の出動.重症外傷事案です.外傷外科医2人があっという間に評価,蘇生.活動性出血もきっちり圧迫止血.生理学的徴候を改善させつつTECCMCへ搬送です.

TECCMC着陸(本文とは関係無い飛行です).



ヘリは6件出動.出ずっぱりのため,カーが重複対応をしています.結局カーは4件出動.本日も有効に病院前救急診療が提供されました.


この季節,降雪,積雪などで足場が滑りやすくなっています.またヘリ着陸時にはちょっと気を使います.本日の事案ではありませんが・・・

積雪数十cmのランデブーポイント


支援車で現場に向かうのはいつも通り.
写真は黒縁1号・前山先生と米田看護師.


建築現場からの墜落事例.
足が滑ります・・・
今から救助.もちろん治療は開始済み.



ヘリ番が終了したセンター長は,近隣市の機械工業協同組合青年部会へお出掛け.こんな表題の話をさせていただきました.「組織論」「チームビルディング」「災害対応のキモ」そして「ドクターヘリ」などなどの内容.一般市民の皆様も地域チーム医療の一員です.そして,自治体を動かすのは市民の皆様の声なのです!