2012年3月21日水曜日

3月21日 ちゃんと

最近,ドクターヘリ,ドクターカーの話題が少ない?と思われておられる方々もいらっしゃるかと思います.ちゃんと活動しておりますし,活用していただきております.ただ,ブログ更新担当者(某センター長)の手が回ってないようで・・・すみませんm(_ _)m


記録的な豪雪であった今年の冬,もう雪はうんざりと思う今日この頃.但馬地方にも春の訪れです.ドクターヘリには青空が似合います.




山間部ではまだまだ積雪の残る所もあります.今年も雪上着陸にマーキングの「バスクリン」が大活躍です.この活用は大変ありがたい!ちょっとしたアイディアが人命救助につながります.



積雪の残るグラウンド着陸.まずは安全に医療スタッフを降ろすことを考え,圧雪地にホットローディングで着陸,医療スタッフは救急車へ.医療スタッフが降りた後は再離陸し・・・


ストレッチャーで患者さんをヘリに乗せ易いよう,除雪された通路へ再着陸.医療介入を早期に実現させ,その間に搬入時間,手間の短縮を図るための配慮.運航スタッフと消防の協力あってこそのドクターヘリ事業です.お陰で現場滞在時間を短縮することが可能となりました!



天気が良くなれば人の動き,行動も活発になります.スキー場事案,交通事故事案などが増えてきます.そして,山岳事案も・・・今回はなかなかハードな事案.覚知同時要請でヘリは飛び立ちます.「山中での滑落.男性.詳細は不明.」 ヘリは20分弱で現場上空へ.まだ救急隊は現場へ入っていないようです.


ランデブーポイントに着陸し,支援車で現場へ.そこで救助隊,救急隊と合流しミッション内容などにつき協議です.現場は谷の下.アプローチは可能.ということで医療スタッフも現場に向かいます.もちろん,日常から長袖,安全靴は装着,皮手袋,ヘルメットも装着です.自分が傷病者になってはいけませんから.


2回の川渡,歩くこと十数分.現場に到着です.谷底に患者さんは横たわっています.向かいの崖を滑落した模様.


救急隊と共に谷底へ降りて,外傷初期診療開始.胸部外傷,大腿骨骨折がありそうですが,ABCDはOK,現場での医療開始よりも救助を優先し搬送を早くした方が患者さんにとっては良さそうです.医療スタッフは谷から上がり,代わりに救助隊が救助にうつります.適宜,症状,状態を確認しつつ搬送です.



ランデブーポイントに救急車で移動し外傷の緊急度,重症度から直近の基幹病院へ搬送,快く応需していただきました.幸いにも搬出中に急変はありませんでしたが,その可能性もある事案,早期からのドクターヘリ要請,医師現場要請が有用であった事案です.


TECCMC'sドクターヘリは現場出動が主な役目ですが,緊急度の高い患者さんの施設間搬送も行います.急性大動脈解離,心タンポナーデ.TECCMC救急車搬入時はショック!心エコーで心嚢液貯留あり!!心嚢ドレナージを行い,廃液量を制御しつつ血圧コントロール.循環を安定化させてからの画像検索.確定診断後は鎮静,鎮痛,挿管管理,そして血圧コントロール.経験豊富な救急医があっという間に安定化です.あとは根治的治療可能な施設への早期搬送.専門施設が快く応需して下さいました.ドクターヘリは直近のグラウンドまで25分でフライト.消防機関の快い協力を得て,無事患者さんを引き継ぐことが出来ました.やはり消防の迅速かつ快い協力あってこそ,救命の連鎖がしっかりとつながります.ランデブーポイントに来てくれた,千里時代からの旧知の救命士さんの存在は心強かった〜 関係された多くの皆様,本当にありがとうございます.



ドクターヘリ,ドクターカー共に日々粛々と活動,活躍しております.これからもどんどんと有効にご活用下さい.


病院前だけでなく,病院内もちゃんと診療しておりますよ^^ 緊急手術,集中治療,初療対応・・・日々勉強になります.志を持った医師,看護師の皆様,どうぞTECCMCの門を気軽にたたいて下さい.一緒に学びましょう!!