2012年12月16日日曜日

12月16日 「多数傷病者への対応標準化トレーニングコース」開催,そして・・・

本日は「多数傷病者への対応標準化トレーニングコース」~Mass Casualty Life Support (MCLS) ~を開催しました.9月に開催予定でしたが,台風にて本日に延期した近畿で第10回目のコースです.



MCLSについては日本集団災害医学会HP・多数傷病者への対応標準化トレーニングコース MCLS(http://square.umin.ac.jp/jadm/mcls/mcls_top.htmlをご参照下さい.以下,HPの抜粋です.

【MCLSの目的】
MCLSの目的は,消防職員・警察職員などが災害現場で実施するべき医療について理解を深めること.災害現場医療に興味のある医療従事者(医師・看護師・コメディカル・病院事務官など)にトレーニングの機会を提供する.

【受講資格】
① 消防職員
② 医師
③ 歯科医師
④ 看護師及び准看護師
⑤ 診療放射線技師、臨床検査技師、薬剤師及びその他の医療関係者で,災害医療派遣業務に従事するもの
⑥ 救急救命士
⑦ 警察官,海上保安官及び陸上自衛隊,海上自衛隊又は航空自衛隊の自衛官で救急業務,救助業務又は災害医療派遣業務に従事するもの
⑧ 救急救命士法第34条第1号から第3号までの規定に基づき,救急救命士の受験資格を得ることができる学校,若しくは救急救命士養成所,大学医学部又は看護学部及び看護学校(准看護学校を含む)の学生又は生徒
⑨ 防災業務に携わる担当者
⑩ その他、運営委員会が認めるもの

【一般目標】
災害現場で実施するべき医療について理解を深め,避けえた災害死を回避する

【行動目標】
(1)災害・多数傷病者に関する基礎的な知識を習得する.
(2)災害現場対応の原則を理解し実践する.
(3)先着隊の活動ができる.
(4)災害現場医療の3T (Triage, Treatment, Transportation) を理解し実践する.
(5)各トリアージを理解し実践できる.
(6)現場救護所の設置・運営ができる.
(7)災害派遣医療チーム (Disaster Medical Assistance Team;DMAT) の現場活動を理解し連携できる.

24名の受講生の方々と,多くのインストラクターの方々が学び合った,大変有意義なコースでありました.災害は起きないにこしたことはありません.しかし,もし起こった場合にどう活動するか?多職種間の共通知識・認識を構築する一手段のコースです.


さて災害,多数傷病者対応の勉強をしている間にも,TECCMCは日常診療を行っています.本日は(も?)初療,ICUが「災害モード」でした・・・終わってみれば,緊急手術4件(初療室穿頭1件,緊急止血術1件,ICU内緊急開腹2件).ドクターヘリで出血性ショックの患者さんを心停止させることなくTECCMCへ搬入し根治的治療,敗血症性ショックの患者さんを同時にICU内で手術し血液浄化療法導入へ.11名の救急医を投入した1日でした.



夜遅くまで初療,ICUと救急医の治療を文句も言わず黙々と支えてくれる看護スタッフ,メディカルスタッフにあらためて感謝です.


臨床あっての医学教育,教育あっての実践,それを地でいくTECCMCです.これからは穏やかな年末であることを切望しております.