2014年4月12日土曜日

4月12日 2013年度ドクターヘリ運航実績

2013年度のドクターヘリ運航実績の一部を供覧いたします.正式な報告は今月末に日本航空医療学会へ報告しますが,まずは取り急ぎのまとめまで.

1)2013年度の出動件数は1422件(3.9件/日)でした.当ドクターヘリは現場対応が主なミッションであり,本来のドクターヘリの目的を果たしていることがうかがいしれます.


2)覚知同時要請率は年々増加しています.2013年度は約88%.消防の皆さまの絶大なる理解と協力の賜です.


3)時間経過は年々短縮され,2013年度の119番覚知からヘリ要請までの平均時間は約5分,またヘリ着陸から離陸までの「現場滞在時間」は平均11分.これは現場投入の多い当事業では特記すべき時間と考察します.その方策として,機内治療の活用があげられるとも考えております.


4)119番覚知からヘリ要請までを覚知同時,覚知非同時に分けてその時間関係を比較しています.覚知同時と非同時では10分以上の開きがあります.医療介入が10分遅くなれば,重症外傷の救命率は10-20%下がると言われています.内因性疾患もまた然りです.


5)2013年度の離陸後キャンセル率は約20%.覚知同時要請の徹底と救急隊の観察能力の向上により,遠慮の無い軽症キャンセルが行われているということです.アンダートリアージ,医療介入の遅延を無くすためにはこれくらいのキャンセル率は必要ということです.


6)府県別,消防別の要請件数です.兵庫県のグラフの横軸は最大が600,他の府県は最大が200と記載スケールが異なります.地域,消防本部別に事情は違います.が,まだまだ掘り起こされるべき事案はありそうです.2014年度も引き続き精進いたします.


7)搬送先は基地病院が70%以上となっています.2013年度もご協力いただきました各病院スタッフの皆さまありがとうございました.2014年度も引き続きよろしくお願い申し上げます.


以上,運航プロセスに関する報告でした.予後改善効果は昨年の学会報告などをご参照下さい.大きな違いはなさそうです(データ処理にもう少し時間を要します).

2014年度も本事業に邁進いたします.引き続きのご理解,ご協力のほどよろしくお願い申し上げます.