2014年4月3日木曜日

4月3日 現場直近着陸

先月のドクターヘリ安全講習会のテーマ「現場直近着陸」.原則は消防などの皆さまに支援,安全確保をしていただきランデブーポイントに着陸することが原則なのですが,現場直近着陸は早期医療介入が必要,多数傷病者事案などの特別な場合に行われる着陸方式です.安全を担保するためには医療,運航,消防,警察を含めた協力体制,チーム医療が必要になります.

そんな中,ドクターヘリ4事案中3件が現場直近着陸でした.

高速のインターチェンジ出口付近の交通事故.傷病者は1名.インターチェンジ出口付近にある駐車場に着陸,現場で救急隊と共に外傷初期診療を開始です.警察車両もあり,ほぼ通常のミッションと変わりません.




乗用車同士の正面衝突,傷病者3名.3名以上の複数傷病者事案ではいつも通りにフライトドクターを1名追加しての出動です.上空から現場を確認,事故形態はかなりのもの.ランデブーポイントから少々距離があります.ドクターヘリは現場横の河川中州に着陸,医療スタッフのみ降ろして離陸します.医療スタッフは河川の土手を駆け上がり現場へ.現場治療が行われている間,ドクターヘリは通常のランデブーポイントで安全に待機します.3名の傷病者をドクターヘリ,救急車医師同乗でTECCMCへ全員搬送.受傷から医療介入まで最短で行われました.


山間部での墜落事案.ランデブーポイントから現場は4km以上離れています.携帯も不感地帯,衛星携帯も電波の拾いが悪い谷間の現場です.現場の状況を上空から確認し,医療介入開始時間,ランデブーポイントまでの距離,現場に投入すべき消防力などを考え現場直近に着陸です.現場までは資機材を担いでダッシュ.傷病者の状況,現場の安全をまずは確認しつつ,救助優先での活動.救助後は外傷初期診療からのヘリ搬送です.




このような早期医療介入の実現,現場直近着陸の有用性が見出せるのは,消防指令による覚知同時要請の賜です.病院前救急診療に理解のある消防と仕事が出来ることに感謝と誇りを感じます^^

ドクターヘリの有用性に喜びを感じる佐々木先生.患者さんが助かって嬉しいのはわかりますが,その席は整備士さんが乗られるんですけど.はい,お仕事終了後の小ネタの一枚でした.


先日は後ろ姿だけだった新入職の安田先生.今日は横顔をどうぞ.後ろには優しくて恐い先輩達が・・・連日の多数傷病者の同時受入に緊急手術.もう慣れたでしょ?