2014年6月14日土曜日

6月14日 bystander CPR

心肺停止に陥った傷病者の予後は,bystander CPRの有無で大きく変わります.

ある施設内で人が崩れ落ちました.呼吸はしてそうですが,正常の呼吸ではなさそうです.職員の方は躊躇せずに胸骨圧迫,AED装着.2回の除細動の後に救急隊が現着しました.救急隊現着時には心拍再開,自発呼吸も再開していました.現場直近に着陸し,ダッシュで現場に着いた医療スタッフによる気管挿管と早期のヘリ搬送・・・翌日には後遺症もみられない状態まで改善です.

(写真はイメージです)

この施設の職員は消防による「普通救命講習」を受けられていました.その中で,正常でない呼吸は心停止という言葉がしっかりと伝えられ,それが実践されていました.

食事中の窒息.家人は119番に通報します.指令課員は家人から傷病者の状態を聞きつつ,救急車,ドクターカーを現場に出動させます.指令課員は背部殴打などの口頭指示を電話で家人に伝えます.その時,「反応がなくなりました!」と・・・指令課員は「胸骨圧迫を行って下さい」 冷静に電話口の家人に口頭指示を行います.救急隊現着まで後数分,指令課員と家人の懸命なCPRが続きます.救急隊現着,心拍再開,自発呼吸あり!口腔内の食物残渣を吸引し,下顎挙上,補助換気で現場出発.ドクターカーと途中ドッキング,「わかりますか?」その呼びかけに目を開け,手を握り返す患者がいました.

指令課員の適確な口頭指導と家人の胸骨圧迫が奏功した事案でした.

(写真はイメージです)

消防の日々の地道な市民への講習,指令課員は救急の第一走者であるという自覚・自信がこのような事案を産んでいます.

医療スタッフの現場投入は支援隊(ポンプ車,広報車など)が担ってくれています.1つの事案にフルスイング,我々も見習うべき姿勢です.いつもありがとうございます.


今日は当地域の安心,安全を守っている消防の活躍のほんの一部を紹介しました.