2014年6月16日月曜日

6月16日 連携

ドクターヘリと消防防災ヘリは現場では上手く連携します.目的が同じ,現場に出ているスタッフは皆同じ方向を向いていますから当然です.今日はそんな事案の紹介です.

覚知同時要請の山岳事案です.ドクターヘリはランデブーポイントに着陸,医療スタッフは支援車で現場の山中に向かいます.医療機材の他はヘルメット,皮手袋,医療用無線,衛星携帯などを携えます.支援車から降りて,救助隊と共に山登り.本事案は道無き道を現場に向かいます.患者接触,救助までに時間を要すると判断し,ドクターヘリはTECCMCへ一旦帰投させ別事案対応をセカンドクルーで対応可能にします.搬送可能になれば再要請の段取りです.


患者接触まで約30分.高所転落事案です.現場の安全を確認し,外傷初期診療開始.ショック!初期輸液を開始,原因検索をサクッと行います.幸いにも初期輸液に反応あり.全脊柱固定から簡易舟形担架で空が抜けている空地へ沢の中を移動です.そう,予め要請をしていた防災ヘリが上空に到着しています.防災基地から約30分の現場,時間経過はバッチリあいました.発煙筒で吊り上げ場所を防災ヘリに知らせます.救助は機能上ドクターヘリは不可,防災ヘリの役目です.


ヘリから降りてきた航空隊救命士は当地域から出向している顔見知りの救命士でした.日常的にヘリ,カーで共に活動してきた関係だけに,防災ヘリ吊り上げ後の搬送中に何をすべきか,何をして欲しいか,最速,最短の時間で情報共有が出来ます.日頃からのMCの賜です.

安全に吊り上げ救助.TECCMCまでは空路10分もかかりません.初期治療は完了,安定して搬送可能と判断しドクターヘリとのランデブーではなく,そのまま防災ヘリ搬送としました.

ドクターヘリだけ,防災ヘリだけ,消防だけでは救えない,対応出来ない事案も少なくありません.このような連携が現場でしっかり行われ,救えるべき傷病者が救われています.皆,泥まみれ,水でビチャビチャになりながらの活動でしたが,良い連携の出来た医療活動でした.

本日の画像集はランデブーポイントで待機,救急車を待つスタッフ達です.支援隊の方々から消防無線で情報を聞きつつ,あるいは束の間の休息を貪りつつ・・・




本日もお疲れ様でした.