2014年9月30日火曜日

9月30日 ドクターヘリ症例検討会(1巡目終了)

本日は今年度上半期最後の消防本部別ドクターヘリ症例検討会で舞鶴市消防本部にお邪魔しました。TECCMCから陸路で2時間弱の消防本部。ヘリでは20分圏内となります。豊岡市とほぼ同じ人口ですが、医療圏の中には3つの病院があります。その関係か、ドクターヘリ要請は年間数件で推移している地域です。医療圏の中で全ての事案が予後を含め完結されていればドクターヘリは不要となります。このあたりを含めた検討、意見交換を行っています。今後の変化に大いに期待したいと思います。

本日で消防本部別症例検討会の1巡目が終了しました。来月からは2巡目が始まります。今年度上半期の症例を基にさらに深い意見交換が出来ればと思います。この症例検討会の効果により、救われた命もあれば後遺症が軽減した事案もあります。 関係者の皆様、今後ともよろしくお願いします!

秋の但馬は雲海の時期。ドクターヘリにとっては運航の妨げになりますが、出動可能になるとこんな感じ。9月も今日で終わり、すっかり秋の空です。


今月もドクターヘリ、ドクターカーを有効に活用していただきました。何とか数日中にデータを まとめたいのですが・・・こちらも頑張りましょう〜〜〜



2014年9月29日月曜日

9月29日 ミッション

偶然,誕生日にフライトに当たるスタッフもいます.今日は林ナースが1/365の確立でその日に当たりました.アラ○になりましたが,益々元気に現場を走り回ってます.本日も・・・沢山活用していただきました.


現場近くのランデブーポイントは砂塵の影響が大きく,散水の必要性あり.支援車到着,散水完了を待つよりも散水不要なちょっと離れたランデブーポイントでフライトスタッフをピックアップ,支援車で現場へ.医療介入しつつ現場直近の安全な農道にヘリを移動しピックアップ.重症頭部外傷に効果ありのミッションです.また,交通外傷,複数傷病者事案では現場直近に着陸,ダッシュで現場へ.胸部外傷,心損傷の一人目を現場直近からTECCMCへヘリ搬送,もう一人の胸部外傷,骨盤骨折はFD2の杉野先生を救急車に同乗させTECCMC方面に走らせ途中ヘリによるピストン,ピックアップ搬送.重症外傷事案のヘリによる集約化,予後改善効果,後遺症軽減効果に必須かつ有効です.


ドクターヘリにはバックボードが常備されていますが,現場によっては消防分と交換になります.連続出動時は初療から予備のバックボードを持ってスタッフは走ります.

山中・林道事故事案ではドクターヘリによる現場同定と,外部スピーカーを用いた情報収集.なかなかレアなミッションも経験です.もちろん,ランデブーポイントで患者接触する通常ミッションも普通にこなします.さて,本日のミッションは何件??

秋晴れの北近畿.西へ東へ北へ南へ飛び回ります.青い空に青い海,そして青いヘリポート.良い季節に良い風景です^^ 


本日もお疲れ様でしたm(_ _)m





2014年9月28日日曜日

9月28日 ヘリポート

当ドクターヘリ事業は今年で5年目.今までヘリポートには無頓着で,安全に離着陸出来れば良いと思っていました.しかし,塗装もはげ,あまりにも惨めな状況になっていたため,この度ヘリポートの塗装を行いました.


当センターのイメージカラーのブルーを基調に,雨でも滑りにくい塗装を施してもらいました.次年度はブルーの外側を綺麗に塗装予定.秋晴れの空にちょっとは映える絵になりました.

そんな秋晴れの週末.人も動くので多忙を極めるかと覚悟していましたが,幸いにも比較的穏やかな北近畿エリアでした.ドクターヘリ・カー共に出動は4件/日程度.院内業務・緊急手術も余裕をもって行えます.


行楽シーズンですが,大変な災害が起こっています.TECCMCは遠方で何も出来ませんが,関係者の方々の無事をお祈りしております.





2014年9月26日金曜日

9月26日 いろんな人

TECCMCには様々なスタッフがいます.誰一人として同じカテゴリーに収まらない人達です.

時間を見つけては筋トレに励む人.この度新たな筋トレマシーンが購入されたようです・・・


片時もカメラを肌身離さず持ち歩く人.いろんな意味で本格派.腕前も一流.ヘリポートではこだわりの一枚!


そんな人達ですが,救急の臨床場では統制のとれた迅速な活動.現場直近着陸,救急車内患者接触,EFT,ヘリ機内収容,離陸の一連の活動が10分以内に完結されます.そしてその現場の中心には間先生.TECCMC入職1年半,ヘリ搭乗3ヶ月目でここまで到達します.臨床に経験,数は力になりますね.


入職して間もない杉野先生も山岳事案の洗礼を受けます.個人装備を行って,器材を背負って現場へ.こんな時に日々のトレーニングの必要性を痛感することになります^^; 現場の消防職員と共に統制された活動を行います.


体も感性も鍛えながら,日々の臨床現場へ向かうTECCMCです.







2014年9月24日水曜日

9月24日 壮行会・行ってらっしゃい!

秋はちょっとした人事異動の時期です.この度,大学人事で泣く泣く第3期生(2012年7月入職・http://teccmc.blogspot.jp/2012/07/72.html)の中嶋先生がTECCMCの常勤から一旦離れることになりました.また,県立尼崎病院総合診療科から短期研修に来てくれた生田先生もこの9月で元の所属に帰られます.

ということで,いつものように新天地へ羽ばたく二人へ壮行会.生田先生には但馬救命ラベルのお酒に研修終了の証し・TECCMC Tシャツを贈呈.2ヶ月でしたが,救命救急センターの診療はいかがでしたか?


2年と2ヶ月,TECCMCの発展に尽力してくれた中嶋先生.まずは「酒豪」の名に恥じないよう,但馬救命ラベルのお酒に但馬地方限定300本のお酒〜.そして但馬救命刻印の徳利.寄せ書きと写真集を見ながら飲んで下さいね〜〜〜^^ 


常勤じゃあなくても中嶋先生は来月からも非常勤で月に2回,TECCMCへ来てくれます.大学でも頑張って下さいね.そして引き続きよろしくお願いします!

中嶋先生の常勤ラストフライト日はやはり荒れました.農耕機に巻き込まれ下敷きになった事案では安全確保のもと,現場で外傷初期診療.初期輸液で循環安定,鎮痛下での救助.重症外傷ですが,無事救命出来ました.TECCMCで積み上げた中嶋先生の実力発揮でした.


運航終了後は・・・



良い仲間ですね.これからも^^

但馬の人気者・中嶋先生,お疲れ,そしてこれらも「お願いします!」







2014年9月22日月曜日

9月22日 連携,ありがとうございます!

当ドクターヘリの運航エリアは兵庫県北部,鳥取県(第一選定は東部,中部),京都府北部になりますが,ヘリポートを有する病院はTECCMC,鳥取県立中央病院,鳥取県立厚生病院,智頭病院,北部医療センター,福知山市民病院の6つでした.そしてこの度,ドクターヘリを地域医療に活用し,積極的な受入協力・連携を目指され,綾部市民病院にヘリ着陸場が整備されました!


病院裏の企業グラウンドを整備,そこから直接に病院の救急外来へ搬入可能な通路が出来ていました.公立病院,民間企業が協力され実現したヘリ着陸場です! ドクターヘリスタッフにとっても,傷病者にとっても大変,大変ありがたい整備です.また災害時には各種ヘリコプターの離発着にも使用可能です.今後もお世話になりますが,何卒よろしくお願い申し上げます.

搬入経路,時間を考えると地上ヘリポートは良い!運航サイドの意見でも地上が良い!!当地域ではほとんどの病院が地上ヘリポートです.積極的に安全に搬入させていただきますm(_ _)m また今後も基地病院との病病連携も積極的にお願い出来ればと思っております.

ほとんどの地域で年々良い方向に救急医療体制が変わっていきます.府県の枠は関係無く,北近畿は1つの医療圏.益々の発展が期待されます.

2014年9月21日日曜日

9月21日 第6回日本Acute Care Surgery 学会学術集会

20日,21日と青森市で開催された第6回日本Acute Care Surgery 学会学術集会にセンター長,岡先生,佐々木先生が発表,出席しました.


岡先生はパネル関連で発表です.当センターにおけるデータをきちんと出し,検証してもらっています.学会発表はデータ解析あっての討論です.決して発表施設,演者の感想文であてはなりません.この点,岡先生は自分にも他人にも非常に厳しい! 発表後,学会参加されていた韓国の外傷センターの方にスライドデータの提供を求められていました.


佐々木先生は症例報告の一般演題,ポスター発表です.この症例の救命につながった治療戦略を過去の報告との違いから検討,考察しています.症例報告はやりました,経験しましたではなく,この症例から何を学び,次にどうつなげられるかを論じる場です.1ヶ月近く前からの複数回にわたる徹底的な医局予演会を経ての発表,佐々木先生お疲れです.


センター長は評議員会,座長,シンポジウムの発表です.発表内容はAcute Care Surgeryにおける敗血症治療戦略.Acute Care surgeryに必要なことは,手術だけではなく,周術期の集中治療戦略が必要不可欠で,それが予後に直結するといった内容です.



外科侵襲学,生体侵襲学をベースに,何故治療戦略に時間的因子が重要か,そのために何をすべきかをチームで考えなければなりません.手術手技・戦略に偏りがちなところ,やはり周術期管理の重要性も認識したバランス良いAcute Care Surgeonを育成しなければなりません.その点,岡先生の発表にもありましたが,TECCMCは症例の集約化も進み,客観的にもなかなか良い研修施設です^^

この分野の地域差,課題・問題点もよくわかりました.また,逆に飛び抜けた施設の発表,考え方に触れられたことは,明日からの臨床の大きな活力になりました.参加されました皆様,大変お疲れ様でした.今後ともよろしくお願い申し上げます.

学会期間中もセンターは変わらずの日常です.ヘリは飛び,カーは走り,緊急手術に集中治療に充実していました.市中病院の救命救急センターではありますが,臨床も学問ももっともっと精進したいと思います.





2014年9月19日金曜日

9月19日 なになに!?

TECCMCのスタッフ,消防の方々がなにやら怪しげな集まりをしていました.何かの訓練でしょうか??


何故かうなだれる人達!?


この答えは・・・来月をお楽しみに〜〜〜^^

そんな中,藤原先生の足元が“変” 医局履き用の人工芝サンダル! 本人曰く,後楽園球場の人工芝を盗ってきたらしいです.


これでいつも野球をしている気分になれるそうです.って,藤原先生,野球しないでしょ.




2014年9月18日木曜日

9月18日 planned re-operation

敗血症性ショックの治療,特に手術を要するような症例ではdamage controlの考え方が重要です.敗血症の原因のみを取り除き(手術など),集中治療による全身状態の改善,その後に再建,閉創などを行うことをplanned re-operationと言います.明日からのAcute Care Surgery学会(青森市)で,この治療戦略の有用性を発表します.

・・・初療に腹腔内感染症が原因の敗血症性ショックが搬入です.TECCMCのプロトコールに従い,気管挿管,輸液により循環の立ち上げに務めます.そしてそのまま初療室手術室へ.麻酔担当の松井先生は術中に中心静脈カテーテルを確保,手術担当の番匠谷先生,小濱先生,センター長は30分で原因除去.


そのままopen abdominal managementでICUへ.PMX-DHPなどを駆使し循環を立ち上げます.そして翌日ICUで消化管再建,閉腹.


これがplanned re-operation.敗血症性ショックの救命率向上に寄与しています.

ドクターヘリも変わらず有効活用されています.可能な限り現場滞在時間を短縮するための方策が徹底されています.救急隊からも適確な情報がもらえます.件数を重ねるほど連携は良好になり,活動もスムーズになります.


本日はセンター内の1日を振り返ってみました.


2014年9月17日水曜日

9月17日 ドクターヘリの運航

ドクターヘリは要請されるとランデブーポイントという予め設定された着陸地点へ向かって出動します.そこで消防の支援をいただき,必要があれば散水をしていただき,安全に着陸,やって来た救急車とドッキングしそこで治療が開始されます.


消防によってはランデブーポイントに掲示がしてあります.安全運航への寄与はもちろんですが,住民の皆様への啓蒙といった意味でも大変ありがたいことです.

また事案によっては現場直近に着陸することもあります.安全を最優先に,傷病者の状況などから総合的に判断しています.


突然,ドクターヘリが着陸してビックリされる住民の方もおられるかもしれません.出来るだけご迷惑のかからないよう配慮はしております.早期医療介入では生命予後に直結しております.どうぞご理解,ご協力のほどよろしくお願い申し上げます.

地域によっては廃校となった校庭を「防災拠点」に設定し,ヘリポートを作られています.この写真はその1例.実はこの場所,小学校だったときは砂塵の影響で着陸不可となった校庭です.住民の方々の声で,今はこのとーり!このような取り組みに,県をはじめ行政の方々のご協力,ご支援がもっとあれば,散水など消防の負担も減り,またいつでも安全にドクターヘリ,防災ヘリが離発着出来るのですが.医療機関まで距離のある当地域では切実な問題でもあります.


7月からフライトドクターOJTに入っている間先生,藤原先生.2ヶ月半で40-50件程度の出動を経験しました.機内処置,治療も慣れたもの.また多数傷病者事案ではストレッチャーに乗り,3人目の救急医として現場へ.でもまだまだまだまだ学ぶべき事は沢山ありますよ.病院前救急診療,初療対応,根治的治療(手術,アンギオなど),集中治療,一般病棟,外来followの一貫した医療.幅広く奥行きの深い救急医に育って下さい!


本日はドクターヘリ運航の1面を紹介しました.









2014年9月16日火曜日

9月16日 ドクターヘリ症例検討会&第3回院内災害訓練机上シミュレーション

本日は第9回目のドクターヘリ消防本部別症例検討会で,宮津与謝消防組合消防本部にお邪魔しました.TECCMCから普通走行で1時間10分,ドクターヘリなら15〜20分圏内.地域医療の一貫としてヘリ要請エリアを考えておられる消防本部です.また早期医療介入,消防力などから散水の必要の無いランデブーポイントの選定にご尽力いただいております.

本日も昨年度の統計から,ドクターヘリ要請時間内における「死亡」「重症」傷病者数に対するドクターヘリ要請・未要請割合を算出していただきました.地域MCの検証と絡める必要もあり,次への宿題が見えてきました.

地域に根差したドクターヘリ運用.それぞれの地域のニーズに応じたオーダーメイド的な運用が大切,基本であることを本日もあらためて最認識できた検討会でした.ありがとうございました.

夕刻からは今年度第3回目の院内災害机上訓練.勤務終了後に約2時間,近隣災害発災から院内初動,災害対策本部立ち上げ,ゾーニングなどを研修していただきました.本日は医局の先生,初期研修医の先生にも参加していただき,また多職種が実りある話し会いをしていただけました.


次は10月6日に院外講師の先生(後日告知します!)をお招きして,実災害対応の生の声を聞かせていただき,10月19日に院内災害訓練を執り行います.この形式は今年で4回目.見せる,形だけの訓練から,問題点を抽出し,実践につながる訓練になってきました.さて,今年はどんな内容で行いましょうか.



2014年9月11日木曜日

9月11日 自由研究が届きました

今年もドクターヘリ,ドクターカーを題材に自由研究をしていただきました.その中の一人,鳥取市の小学生から研究成果をいただきました.

自分の通っている小学校校庭に突然着陸してきたドクターヘリ.転校生で以前住んでいた所(ヘリ導入県)では経験しなかった光景.救急車がほどなくやって来てヘリとドッキング,速やかにヘリは離陸.数年間住んでいたアメリカでは当たり前だった医療システムが鳥取にもある!ということで興味を持ってくれました.






夏休みの1日を使って暑い中,鳥取から豊岡まで来てくれました.ドクターヘリなら15分,車なら1時間半.距離,時間も体感です^^; そして大いに感心したことは,日本だけではなくアメリカにも取材し,比較しているところです.アメリカ,海外が全てではありませんが,良いところ,成功し住民に有益なシステムは取り入れるべきです.そんなヒントがこの研究には述べられています.

この研究を拝見し,また明日からの元気をいただきました!ありがとうございました!!

ということで,小学校校庭に着陸するドクターヘリ.校庭が芝生化されてると散水の必要もなく,時間的なロスもなく,ありがたいものです.この事案はドクターカーにて早期介入し,他事案からの帰投中のドクターヘリにピックアップしてもらい,根治的治療開始までを短縮しました.


既存のシステムを無駄なく有効に使うこと,それが大切です.



2014年9月9日火曜日

9月9日 救急の日に

本日は9月9日「救急の日」です.全国で救急に関するイベントが開催されているようです.今日の日をきっかけに,日々ちょっとでも救急に関して関心をもっていただければと思います.

さて,その救急の日にセンター長が広島県呉市にお邪魔しました.第19回呉腹部救急研究会で「Acute Care Surgery」について話しをさせていただきました.ドクターヘリ,ドクターカーの話題は無し,救急外科,外傷外科を外科侵襲学,生体反応の観点を踏まえ,damage control strategy,血行動態最適化の必要性,planned re-operationの有用性,そしてacute care surgeonの存在の意義などについて紹介しました.エッセンスのスライドだけ掲載します.ご参照下さい.








研究会後も沢山の方に声をかけていただきました.ありがとうございました.今後とも何卒よろしくお願い申し上げます.

TECCMC内はまさに救急の日.腎損傷に対するERLからのdamage control surgery,夜はemergency surgery.そして術後は集中治療.実践,結果あってこそですから.今宵のスーパームーンを見ること無く日付が変わりそうですね.お疲れ様です.