2015年9月30日水曜日

9月30日 M&Mカンファレンス

TECCMCでは適時M&Mカンファレンスを開いています.救命救急センタースタッフで集まり,症例を振り返ることは質の向上につながります.


今回は脳神経外科の先生方も加わり,非常に稀なケースを振り返りました.各科,他職種との連携は救急医療に必要不可欠なことです.センター内の質の高い集中治療があってこその病院前救急診療,初療・根治的治療です.

本日の1枚は岡先生に指導を受けながらICUで重症対応・処置を行う金先生.学びの毎日です.





2015年9月26日土曜日

9月26日 院内災害訓練と病院前救急診療訓練

訓練,シミュレーションはいかなる場合でも大切です.本日は院内災害訓練の一環として,机上シミュレーションを行いました.門馬先生を中心に10時〜16時の長丁場の訓練です.災害対策本部,救急部門(トリアージポスト,診療部門),入院・手術部門の3つの現場を各90分担当しながら,災害時対応を時系列で体験してもらいました.医師,看護師,事務,医療スタッフと多職種で考えながらの良い訓練となりました.




備えあればなんとやら.日常の救急診療に加え,このようなシミュレーションも大切です.

日常診療の中でもシミュレーションが行われています.ドクターカー出動の想定.これから病院前救急診療を経験してもらう(であろう)原先生に前山先生が突然のフリです.この写真はコントの一場面ではございません^^;


病院実習中の救急救命士さんも巻き込んで,シミュレーション継続.現場,救急車内での協働想定です.


本日はOFF THE JOBの一場面を紹介しました.



2015年9月22日火曜日

9月22日 世間はシルバーウィーク・・・

世の中は5連休・シルバーウィークだそうです.日常診療が暦通りにお休みな上に,連休で人の動きが活発になったり・・・救命救急センターは人で溢れています.ドクターヘリ,ドクターカー,救急車は全例応需,その結果WALK INの待ち時間はちょっとしたテーマパーク並みになっています.もちろん,トリアージナースがカテゴリーに応じた経過観察を行ってくれています.日常の救急診療でも重症度,緊急度に応じたトリアージが実践されます.

そんな中,ドクターヘリで重症例の搬入です.VA-ECMOを速やかに導入,その後の出血に対するdamage control strategyの実践ではgaze packingとIVRの同時施行,いわゆるハイブリッド戦略を提供します.


麻酔・蘇生担当,手術野担当,IVR担当とTECCMC救急医総力をあげて深夜まで突っ走ります.各部門の皆様,ありがとうございました.お疲れさまでした.

連休中のセンター内の一場面をご紹介しました.




2015年9月19日土曜日

9月19日 現場からの気管挿管

意識障害からの舌根沈下,誤嚥に対する気管挿管,急性心不全・肺水腫・低酸素血症に対する気管挿管,敗血症性ショック・心停止手前に対する気管挿管・・・全員,機内でAWSを使用した気管挿管で,現場滞在時間(ドクターヘリ着陸から離陸まで)は10分以内.3事案連続でホットローディング対応でした.こんな日もあるようです.


もちろん,皆さんちゃんとお元気になっておられます.早期医療介入,最速の根治的治療開始,これがTECCMCの神髄です.



2015年9月17日木曜日

9月17日 雨と霧

午前中は前線の影響で雨に霧にどうしようもない天候に見舞われた但馬地域です.ドクターヘリは有視界飛行のために離陸不可・・・そんな時に補完的に活躍するのがドクターカーです.本日の午前中は大活躍!もちろん,ドクターヘリが飛行可能になった午後からも近隣の事案に出動します.ドクターヘリとドクターカー,お互いが補完し合っての病院前救急診療です.

たまに載せる今日の1枚.現場直近の休耕田着陸,ドクターヘリと秋の空,そしてドクターヘリと竹田城.北近畿エリアを駆け巡っております!




2015年9月16日水曜日

9月16日 鳥取県防災ヘリとの協働

鳥取道トンネル内での多重事故.複数の傷病者発生.ドクターヘリ覚知同時要請です.いつも通りフライトドクター1名を増員しドクターヘリは離陸します.ランデブーポイント到着までの間に本部から情報を収集,共有.そして予め鳥取県防災ヘリへの応援要請を打診します.消防本部の指示により現場直近ではなくランデブーポイントへドクターヘリは着陸.


そこへ傷病者を乗せた救急車を集結させ,医療トリアージ,搬送先選定,搬送手段決定を行います.傷病者は7名・・・


重症者は2名.ドクターヘリで1名,そして鳥取県防災ヘリで1名を同時に搬送することに決めます.他5名の幸いにも軽症であった方々は市内二次病院への分散搬送を救急隊のみで行っていただきます.予め打診していた防災ヘリを本要請.ドクターヘリ離陸後に防災ヘリが着陸,患者を収容します.


防災ヘリにはセンター長が同乗しTECCMCへ.2機のヘリがTECCMCへ向け飛行します.まずはドクターヘリがTECCMCのヘリポートへ着陸,重複事案が入ったためにホットローディングで患者を引き継ぎ,再離陸.その数分後に鳥取県防災ヘリがTECCMCのヘリポートへ着陸です.


実は当運航管理室は「フライトサービス(空港の管制塔の役割)」も担当しており,航空機の安全管理・運航は航空無線を通じて,運航管理士が調整します.また,地上の安全確保は防災ヘリの場合,豊岡市消防本部にもお世話になり,何重もの安全確保を行っています.

以前であればドクターヘリのピストン搬送で,時間を要することも多く,また重複対応が困難になることも見受けられました.そんな以前の事案を踏まえ,この8月中に鳥取県内で調整を行い,ドクターヘリと防災ヘリの救急現場協働活動の詳細が決まったところでした.まさに現場,患者目線での運用方法の実現です.今後もこのような協働事案があるかと思います.引き続きのご協力,ご指導のほどよろしくお願い申し上げます.



2015年9月12日土曜日

9月12日 秋の空になりました

すっかり秋の空,天候になった但馬地域です.朝晩は半袖では肌寒く感じます.稲刈りも急ピッチで進んでいますね^^

そんな秋の一日.ドクターヘリは11件要請,2件離陸前軽症キャンセル,2件離陸後軽症キャンセル,7件の患者接触・対応でした.重複事案ではドクターカーとの協働,ドクタードロップと変わらずの対応で重複対応不可事案が無いよう努力しております.これも消防の方々が覚知同時要請を徹底して下さるおかげで,時間的余裕を持った対応が可能となっている結果でもあります.

「乗用車単独事故,傷病者3名!」覚知同時でのヘリ要請です.3名以上の傷病者発生事案ではフライトドクター1名増員で現場に飛びます.ヘリ現場到着時は救急隊が現場活動中.ドクターヘリは消防と協議し現場直近着陸,そのまま医療スタッフは現場に投入され複数傷病者対応,医療介入を行います.1名をヘリ搬送,2名をフライトドクター同乗での救急車搬送,医療スタッフの増員で災害を非災害にする対応も当医療システムの特徴です.

同日は支援車での現場投入,現場対応中にヘリを直近へ移動させての搬送時間短縮が実現した急性冠症候群,ダッシュで現場へ向かい,先着・対応した墜落事案(頭部外傷,頸椎損傷)など過ごしやすい秋の天候に,汗だくの1日でした.


本日もお疲れさまでした.




2015年9月8日火曜日

9月8日 但馬MC協議会 救急訓練開催!

本日は但馬MC協議会で初の試みを行いました.それが「救急訓練」.3つの想定に対し,但馬3消防本部から参加した救急隊が実際の現場活動を行うというものです.豊岡市消防本部のWEB PAGEにも掲載されています(http://119.city.toyooka.lg.jp/contents_detail.php?co=new&frmId=1277

これは救急救命士処置拡大2行為が始まり,また活動プロトコールの再確認を行うこと,さらには現場活動における観察,評価,その根拠に基づく処置・病院選定(ヘリ・カー継続,キャンセル判断を含む)の質の向上を目的に行われました.

想定はAMIからのVF, CPAに嘔吐,気道閉塞が合併した症例,低血糖症例,そして蜂アナフィラキシーショック症例です.


CPA症例ではBLSの質,特定行為のタイミング,実施場所,隊活動の統制などが評価されました.低血糖症例では血糖測定適応判断,脳卒中との鑑別とヘリ・カー要請の必要性判断,ブドウ糖投与は現場?搬送中?,現場滞在時間を意識した活動などが評価されました.蜂アナフィラキシーショック症例では早期医療介入を目指した活動,救急隊,現場支援隊,ヘリ支援隊を含めた医療システム活用の判断,ショックに対する輸液施行場所・根拠などが評価されました.


TECCMCからは検証医としてセンター長,前山先生,杉野先生が評価者で参加し,各々の隊活動,事案・症例についてフィードバックを行っています.

このような地域の取り組みがより質の高い救急活動・システムの構築につながります.MC協議会主催でこのような訓練,取り組みが行えたことを誇りに思い,今後もこのような活動,訓練を継続していきたいと思います.

参加,協力していただきました皆様,ありがとうございました.そしてお疲れ様でした!



2015年9月7日月曜日

9月7日 重症外傷の救命

ドクターヘリの運航時間も終わり,絞扼性イレウスの緊急手術中に前山先生がドクターカーで出動した模様です.手術中のセンター長に初療責任者の番匠谷先生から院内PHSで一報が入ります.「重症外傷,ショック2名.救急救命士から特定行為指示要請が入ってます.本事案にドクターカーが出動中!」

緊急手術を終えたセンター長が初療に到着.その時点で番匠谷先生が受入指示を出しています.「2列同時初療手術体制,ショックモード立ち上げ,救急医の招集!」あっという間にセンターの体制が整えられます.その間にも現場から情報が入ってきます.それに応じた準備(開胸,開腹,創外固定,加温輸液,輸血,LEVEL 1 SYSTEMなど)が粛々と行われます.

現場到着した前山先生からの情報.「傷病者3名.閉じ込め救助事案.ショック2名は重症頭部外傷+腹腔内出血疑い,腹腔内出血+骨盤骨折+大腿骨骨折!」・・・

3台の救急車が連なってTECCMCに到着します.搬送中に前山先生と救急救命士が全員を安定化させます.気管挿管を施行されている傷病者もいます.


そしてそのまま初療同時緊急開腹術開始.1例は穿頭術も同時進行で行います.センター長,岡先生の術野を杉野先生,安田先生の麻酔・蘇生担当でサポート,蕪木先生,番匠谷先生の術野を前山先生の麻酔・蘇生担当でサポート,ドクターカーは佐々木先生が代わりに担当しながら,他に搬入される救急患者に初期研修医と対応します.1例は止血,根治的に手術完了,1例はそのまま血管造影,TAEを岡先生,番匠谷先生が担当し行います.


そしてICUへ.あとはICU担当の藤崎先生が状態を立ち上げてくれます.TECCMCの長い夜はまだまだ終わりません.

重症外傷を救う病院前から始まる外傷診療,これがTECCMCとこの地域の強味です.今日はTECCMCのある長い夜の日を振り返ってみました.



2015年9月5日土曜日

9月5日 救助事案は現場直近

秋雨前線の影響でスッキリしない天候が続いています.ドクターヘリ,ドクターカーの連携,補完が試される天候でもあります.

そんな中ホットラインが鳴ります.「トラクターの下敷き.ドクターヘリ要請!」 陸路なら50分近くかかる場所ですが,ドクターヘリなら10分もかかりません.上空から現場を確認,救急隊が現着した直後でした.救助隊は未到着.指定のランデブーポイントに支援隊を待って着陸するのでは遅すぎます.上空から現場直近に稲刈り後の田んぼを確認,十分に安全を確保し着陸します.そこから医療スタッフはダッシュで現場へ.現場の隊長に救助方法,時間を確認,救出までにかなりの時間を要することが判明しました.そこでドクターヘリだけをTECCMCへ帰投させ,セカンドフライトチームで他事案対応,本事案の傷病者救出に合わせて再度ドクターヘリ要請のミッションに切り替えます.


ドクターヘリは一旦離陸,医療スタッフは傷病者の救出を待ちます.救助中,ルート確保,薬剤投与を行い,救出と同時に外傷蘇生を開始,と同時にドクターヘリ再要請です.ドクターヘリが再び現場直近に着陸するまで約10分.この間に外科的気道確保,EFT,全脊柱固定を行います.そして再着陸したドクターヘリに患者収容,速やかにTECCMCへ向け離陸です.

医療スタッフ,運航スタッフ,消防が上手く連携した事案でありました.日々の事案の積み重ねの結果です.

本日の1枚は某フライトナース.「幸せ,落ちてないかなあ・・・」だそうです.決してヘリ酔いした直後の嘔吐直前ではありませんm(_ _)m




2015年9月1日火曜日

9月1日 防災の日,災害対応尽くし

本日は防災の日です.ここ数日は災害対応訓練尽くしのTECCMCです.

8月30日は地元豊岡市の防災訓練にDMATとして参加しました.生憎の雨でしたが,無事終了.地元の連携が一番大切ですからね^^


本日,院内では災害対策委員会主催の机上訓練.毎年恒例です.局地災害発災から院内災害対策本部立ち上げ,ゾーニング,院内スタッフ配置転換,患者移動などを体験してもらいました.今回は門馬先生,渕上先生,藤巻看護師がスタッフ参加.センター長,前山先生以外にも災害教育担当者増殖中です.


そして,当院のDMAT隊が「政府大規模地震時医療活動訓練」に参加しました.前日にDMAT CARで神戸空港へ.そして参集拠点の茨城空港へ空路で移動です.本日は百里基地をBASEに活動を行っています.訓練終了後に茨城空港から神戸空港へ空路移動,そして日付が変わるころに帰院しました.どんな訓練で何を得て帰ったか?後日,参加チームから報告があるでしょう.


日常診療の延長上に災害対応はあります.日常だけではダメ,災害だけ考えていてもダメです.このような訓練,取り組みを繰り返すことが日常も災害時もスムーズに対応出来る「肝」となります.